メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第3章 カフェ〈メトセラ〉のマイラ
「なぁに!? セリエルからそう言われると、変な感じしちゃう」
 マイラは、素敵な女性だ。浮いた話は1つもないけれど、誕生日には、必ず誰かから花束が贈られてくるし、よく飲みにくる常連の中にも、好意を寄せてる男性客は、結構いると聞く。でも、マイラ自身が、誰か特定の人間と付き合うという選択肢が今のところないらしく、あくまでお客と店の人間という接し方しかしない、…別の言い方をすると、自然の方を愛する、少々変り種でもあった。店が休みの日は、必ずといって良いほど、山に1人ででも登頂しに行くという。
「そういえば、チェリーケーキ、どうだった!? アルファロ、食べてくれた!?」
 話がアルファロに及ぶと、セリエルは途端に暗い顔になり、首を横に振った。
「食べてはくれたけど…、おいしいって、…言ってもらえなかった」
「あら、…あいつも、無粋な奴ね」
 おいしくない訳はない。セリエルが作るケーキは、マイラ直伝のレシピだ。セリエルが作ったケーキも味見して、一度でOKを出した。料理に向いているらしく、覚えるのも、手際も、良い。でも、それよりなにより、セリエルがケーキ作りを覚えたのは、アルファロの為だったのだろうと推測していたマイラは、あまりの無神経さに、アルファロに人知れず怒りを覚えた。
 女の努力を、なんだと思ってるのか。
 学生の頃から、付き合いのあった奴だけに、不器用さは知っているが、せめて、ありがとうの一言も言えないのかと、改めて思う。付き合いがあったというのは、恋人としてという意味ではなくて、ただの、図書館での読書仲間だ。マイラは、本は嫌いではなかったが、良い本と巡り合うまで探すのが手間で、その時間を惜しむ。人の経験話よりは、荒ぶる自然と付き合った方がよっぽど人生経験になると思うタイプだ。だから、クラスメイトだった読書家のアルファロに、良い本を紹介してもらうことで、やっと図書館通いをするようになったという経緯があった。他にも仲間は数名いたが、いつも必ずといって良いほど、図書館にいたのがアルファロで、そこから自然と、外でも会うようになった。長じて、マイラがカフェを開くと、仲間たちとの読書会は、この店に集ってやるようになったのだが。
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