メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第3章 カフェ〈メトセラ〉のマイラ
 焦って、居ずまいを正すと、緊張した面持ちで、両手を胸の前で組んだ。
 身長はそれほど高くはないけれど、ショートの金髪を軽く傾げながら、畏まるセリエルを、微笑ましそうに覗き込むマイラは、両腕に抱え持っていた紙袋を、左腕だけに預けると、
「よっと」
と言いながら、上着の左ポケットから鍵を取り出し、店のドアを開ける。
「さ、入って」
 セリエルを先に中へ入れると、後ろ手にドアを閉め、また鍵を閉める。そして、カウンターの中に入ると、店内の明かりを灯した。ただ、全体を明るくすると、勘違いしてお客が入ってくるから、たまにしか利用しない、屋外用のランタンを背後の棚から持ち出してきて、それに火を灯し、一部のカウンターだけ、セリエルが座った場所だけを照らすようにした。
「わぁ…」
 綺麗…、とセリエルは目を輝かせ、それに魅入った。
 朝になったとはいえ、外は雪が降り積もり、ドアや窓の出っ張りなどにも雪が被さっていて、店内は薄暗い。だから、ランタンの火は、幻想的に、周囲によく映えた。
「よく山や川に遊びに行くから、予備で、ここにも置いてるのよ」
 役に立ったわ、と嬉しそうに微笑むマイラは、セリエルの前に、飴玉を1個置いた。
「紅茶と、パスタを作るから、それまで、これでお腹を勘違いさせときなさい」
 勘違い…と、可愛らしいことを言うものだから、セリエルはクスクスと笑った。
「お腹、空いてるでしょ!?」
 聞かれて、セリエルは恥ずかしそうに、頷いた。
「朝、アルファロとケンカして、また飛び出してきちゃった…」
「毎度毎度、話のネタにつきない兄妹ね」
対外的には、アルファロとセリエルは兄と妹ということになっているので、マイラがそう言うのは至極当然のことなのだが…、どうにもしっくりこなくて、セリエルは俯いた。
 血なんか、全然、繋がってないのに…。
 パスタを茹でながら、隣のコンロでは、手際良く切り分けた野菜を、フライパンで炒め始めているマイラの手元を、ボウッと眺める。
 やっぱり、お店を開くだけあって、味は言うまでもなく、その料理の仕方も鮮やかだ。
 良い匂い…。
「マイラなら、きっと、良いお嫁さんになるね」
 苦笑したマイラは、セリエルを小さく睨む。
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