メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第2章 青く光る石のペンダント
 なぜそれを探すのか、キラキラって何なのか、それすらも分からない。
 でも、夢に出てくるキラキラ…、それを、探さないといけない…、それだけが、なんとなく分かっている。
 あたしに足りない物だから。
 記憶のないあたしが、唯一、自分を取り戻せるかもしれない手がかりだから。
「…」
 この家で目覚める以前の記憶が、すっぽりと抜け落ちていたセリエルは、側にいるアルファロだけが、唯一の知り合いとなった。彼に保護されなければ、路頭に迷うところだった。それまでの記憶が一切ない、身元不詳の子供なのに、アルファロは何の探りを入れてくるでもなく、ただ、この家に住むことを許してくれた。それは感謝しているのだが…。雑用を言いつけてはくるけれど、憎たらしいことこの上ない男だけれど、この寒い冬の時期、暖かい部屋で暮らせるのは、やっぱり彼のおかげで…。
 できれば、素直に感謝したいのに…。
 できない! あいつの目を見ると。あの、小生意気な笑みを見ると。
 思い出すたび、腹が立ってきて、セリエルは、洗った手をタオルで拭くと、さっきかけてもらった優しさを思い出して、なんともいえない複雑な表情を浮かべた。
 想いが通じないって、辛い…。
 なんとか、距離を縮めようと努力しても、アルファロは一向に心を開いてくれない。
 奴隷…とも、また違う。アルファロはそう言ったけれど、普通、奴隷に、温かいバスタオルはかけない。
 折に触れ、優しい気遣いを見せるアルファロを、だから、セリエルは、いまいち心底から嫌いにはなれなかった。
「本当に、飴とムチ、だからなのかな…」
 アルファロの言葉を思い出すと、セリエルは、寂しそうに、タオルを、テーブルの上にたたんで置いた。
 そういえば…。
 ふと、さっき言われた言葉も思い出す。
「おいしかったって…、何が!? アルファロが言ったの!?」
 まさかね…と、すぐに否定すると、セリエルはブツブツ文句を言いながら、自室へと引き上げて行った。
 閉じたくてしょうがなかった瞼を、ベッドに横になってやっと閉じると、物の1分とたたないうちに、泥のように眠った。
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