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第4章 外
!?
予想外の返事。
「しかしミズノ、お前はいかん。
スカイと一緒に行く者はもうひとりの補給当番、エリに行かせる!」
「なっ、なにい!?」
「ここのシェルターの長は俺だ。
俺の言うことは絶対だもん。ばーか」
「て、てめえジジイコラ‥」
「そういうわけだからスカイ、エリに事情を説明して行ってきてくれ。
詳しいことはエリに聞いたらわかる。
ほれ、シェルター住民チケットだ。」
スカイは言われるがままチケットを受け取り、ドクのさっさと行けというジェスチャーの言うままドクの部屋を出た。
部屋の中ではまだドクとミズノが喧嘩している。
その足でスカイはエリの元へ行き、事情を説明した。
「ほんとに?」
エリは驚きながらそう言った。
「うん、ドクがエリと行けって。」
「な、ならチケットをもらわなくっちゃ。」
エリは慌ててドクの部屋へ行こうとした。
「あ、チケットってこれかな?」
そう言ってスカイはドクにもらったチケットを見せた。
「あ、それそれ!
ドクからもらったのね。」
「うん、強引に‥」
「ふふ、それがないと物資補給にはお金がかかるの。
そのチケットは政府から難民に配られ、政府が管理する物資は全てタダでもらえるのよ。」
「そ、そうなんだ。」
「そ、じゃあ行きましょ。」
そう言ってエリに連れられ出口の扉の前まできた。
ピピピピピ
ガシャン
プシュー‥
扉が開く。
そこには赤色の大地と絵の具で描いたかのように青い空、白い雲、
さっきまでシェルターの中に居たのを疑いたくなるような景色が広がっていた。
「す、すごいね‥」
「うん、綺麗でしょ。
この空の下、別の場所で戦争が起きてるなんて信じられる?」
「いや‥」
「そうだよね。
私も信じたくないな。
そんなこと。」
風になびいた黒い髪、
エリの後ろ姿は
この自然の一部かの如く
美しかった
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