カルテット~少年と獣たち Vol.1
第2章 1 父 その1
少年愛者が世間一般の立身出世を望むのは、いけないことなのだろうか。
私と京香が別れることになったのは、ある意味、必然かもしれない。それなりの大企業の役員の愛娘で、その父も彼女も、少なくとも私の仕事ぶりには満足していたのだが。
離縁の責任だって、どちらかといえば京香にある。結婚して二年も経たないうちに、他に男をつくっていたのだから。
私と京香の間がセックスレスであったなどと誤解されては困る。結婚後一年で私達は男児を授かった。大(ひろ)と名づけた。将来の出世後も、恥ずかしくない名前だと思って。
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NIGHT
LOUNGE5060