七福神の殺意
七福神の殺意

発行者:豊道 豊
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2013/04/03
最終更新日:2013/04/03 10:48

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七福神の殺意 第15章 第十五章
正勝が警察署に入っていくと、次男の正晴と末娘の恵美、そして正晴の恋人石原文子が、見守る中、妻の静香と、康夫の嫁の律子が康夫の遺体にすがりついて泣いていた。
正勝が遺体に近寄って、顔にかかった白い布を取って、一瞬顔を背けた。
一晩中水に浸かっていた、康夫の遺体は、生前の面影はなかった。
「奴だ、あいつがやったんだ。」
そう言って、正勝は握りしめた拳をふるわせた。
「そうよ、あいつが康夫を殺したんだわ。刑事さん、お願いあいつを捕まえて。」
妻の静香も、泣きながら側にいた刑事に訴えた。
「何か、お心当たりでも?」
遺体の確認に立ち会った、川波良清係長が側で静かに聞くと、正勝はなおも、
「あいつだ、京子の婚約者の池田元久が、何をとち狂ったか、康夫に京子を殺されたから、殺してやるなどとわめいていたが、あいつに違いない。」
そう言うと、川波が、
「いえ、それは違います。池田元久氏は確かにそう言うことを口走ったかも解りませんが、お宅の康夫さんが亡くなられた時間には、警察で取り調べを受けていました。はっきりした、アリバイがあります。」
「じゃあ、誰が、誰が、康夫を・・・。」
「貴方、私たちは・・・・・、中村家は呪われてるのよ・・・。」
静香が泣きながら、言うと
「ば、馬鹿なことを。」
正勝は自分の考えも、うち消すようにそう言った。
「呪われてるとは?何か、お心当たりでも?」
川波が聞くと、正勝が、慌てて、
「心当たりなど・・・有るもんか、・・呪いなど・・。お前も馬鹿なことを言うものじゃあ無い。この世に呪いなど有る物か。それに誰に呪われると言うんだ?もう、遺体は引き取っても良いんだろう。正晴、葬儀屋に連絡して、康夫を連れて帰る手配をしろ。」
そう言うと、正勝は、静香と、律子の手を取って、半ば強引に遺体安置室から連れ出した。
「係長どう思われます?何か、正勝の様子が可笑しかったみたいですけど・・・。」
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