七福神の殺意
七福神の殺意

発行者:豊道 豊
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2013/04/03
最終更新日:2013/04/03 10:48

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七福神の殺意 第1章 プロローグ
魚を釣るためには、その魚の性質や、癖を良く知らなければいけない。
チヌは神経質な魚であった。
近くで音がしていても餌に食いつかない。
しかし漁港などのチヌは、音になれている。
音がしても、話し声がしても食いつく。
だが、仕掛けは工夫しなければ釣れない。
太公望達は、それぞれが、仕掛けや、撒き餌を工夫する。
埠頭に並んだ太公望達は、自分の所にチヌを寄せようと、大量の撒き餌をする。
それを見ながら、海の底は撒き餌だらけになっているのではないかと辺保恭介は心配する。
心配しながらも、自分も撒き餌を撒く。
見ていると、魚の数より、釣り人の数の方が多いと思うことがある。
運の良い何人かは、魚を釣って帰るが、他は、何も持たずに帰る。
いわゆる坊主である。
辺保恭介は、三時頃から糸を垂れたが、暗くなっても未だ何も釣れてなかった。
何度かの、餌取りの当たりは有るが、針に乗らないくらいの小さな魚だろう、何も釣れていなかった。
それでも恭介は楽しかった。
魚と真剣勝負をしていると言うことが、楽しかった。
確かに釣れるに越したことはないが、魚との戦いはしているだ。
魚との知恵比べをしたという満足感はある。
ただ、戦いに敗れただけなのだ。
しかし、未だ夜も早い、今日は、朝まで釣るつもりで来た。
今年は、暖かい。
夏は冷夏であったが、その冷夏が開けない。
十一月になっても昼は、半袖で過ごせる。
夜になると多少は冷えるが、それでも薄い上着を着れば良い。
辺保恭介は、途中で買って来たコンビニ弁当を開けて食い始めたとたんに、隣の電気ウキが自分の前まで走ってくるのが見えた。
隣で釣っていた、五十年輩の男にかかった。
竿の穂先が、沈み込む。
魚は大物であった。
隣の男は取り込みに、苦戦を強いられている。
玉網で、取り込まなければ上がらない。
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