梨乃3 痴女編
第2章 2
「でも……」
梨乃はそれきり黙った。
信じた自分がバカだった。
解放してやるなど、冗談でいっただけなのだ。
考えてみれば、当たり前のことだ。
「これでいいのか?」
合田富男は、カメラを持つ成宮信也に促されてホームのベンチに座った。
「オッケオッケ。それじゃあ梨乃ちゃあん、襲って」
成宮信也は、ビデオカメラを構え、録画スイッチを押した。
「襲って、って……」
泣きそうな顔で成宮信也を見る梨乃。
「さっきみたくすりゃいいんだよ。君には淫乱のDNAが流れている。大丈夫大丈夫、君は出来る娘。はいスタート!」
成宮信也は大声で、左手を振るった。
梨乃は黙って立ち尽くしていた。
よく見るとその身体は、ぶるぶると細かく震えていた。
ふーー、と、ため息にも似た、息を吐いた。
ゆっくりと、合田富男に歩み寄った。
ひざまづくと、手を伸ばしズボンのジッパーに手をかける。
「違う違う! さっきみたく、まずはオナニーを見せるの!」
成宮信也監督は怒鳴った。
「ほんと、芸術家気取りだな」
「つうか単なるAV監督じゃん」
本間健二と本橋次郎は笑った。
梨乃は、ホーム上に尻をおろすと、ゆっくりと脚を開いた。
先ほどの格好のまま、ミニスカートで下着を履いていないため、本来秘められるべき女性の大切な部分が完全にさらけ出されていた。
成宮信也はそこへ、ビデオカメラのレンズをぐっと近付けた。
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