梨乃2 混沌編
第3章 3
梨乃は手を止めたその部分を、軽く、さわさわと撫でた。
手のひらに、ズボンの中でなにかが形を変え、次第に膨張してきているのが感じられた。
「え、なんか動いてる。大きくなってきてる。なにこれ?」
知っているけど、でも梨乃はからかって質問してみた。
「そんなことされりゃ、誰だってこうなるだろ!」
「どうして?」
軽い笑みを浮かべると、また、さわさわと撫でた。
びくん、と跳ね上がったような感触があった。
高橋の呼吸がもっと荒くなり、いつしかズボンの中の物はカチカチに硬直していた。
「なにが入ってるの? ねえ、この中どうなってんの?」
「おい、やめろって!」
梨乃は高橋の制止も聞かず、ズボンのジッパーを摘むと、じーーっと音を立てゆっくりと下ろし始めた。
完全に下ろし終えると、福引でもするかのように中に指を入れてごそごそと探った。
パンツの窓を掻き分けて、さらに指を進ませると、先ほどからズボンをぐいぐい内部から押し上げていたそれに触れた。
「変なのがある! なにこれ? 凄く、熱い……」
梨乃は指先に熱く硬く、そして長く太い、棒状の物に触れていた。
棒状の先端の部分、そこだけ別部品のように柔らかくぷっくらと膨らんでいる。末端を人差し指で触れてみると、小さな切れ目があって、そこからぬるぬるとしたものが染み出している。
「なにこれ? なんでこんなぬるぬるしているの?」
ぬるぬるを、指で棒状先端の膨らみにこすりつけた。
く、と高橋が呻いた。
梨乃はがさごそとまさぐり、そして手をズボンから引き抜いた。
「きゃ」
梨乃は悲鳴を上げた。
びよん、と高橋のズボンから、いま梨乃がいじって遊んでいた硬く巨大な棒が飛び出したのだ。
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