梨乃2 混沌編
梨乃2 混沌編
成人向完結
発行者:竹井克
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/03/27
最終更新日:---

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梨乃2 混沌編 第7章 7
 校舎の屋上。
 ぱん、と鋭い音が、青空の下、空気に溶けていった。
 持田栄子が、梨乃の頬を渾身の力を込めて容赦なく横から張ったのだ。
 菅野茂にがっちり羽交い締めにされている梨乃は、まったく抵抗することが出来なかった。
 でもこうして押さえ付けられてなどいなくとも、梨乃は抵抗することなど出来なかったであろうが。
  「タケとしたでしょ」
 先ほど教室で、そんな持田栄子の囁きを耳元に聞いてしまったから。
 なおタケとは持田が彼氏である高橋武を呼ぶ時のいい方だ。
 梨乃は、その言葉にすっかり心身すくんでしまい、もうなにも弁明の言葉を吐くことなく、促されるままに持田たち三人の後について行った。そして今こうして校舎の屋上で、菅野茂に羽交い締めをされ、無抵抗で持田に顔を殴り付けられているというわけである。
 持田のすぐ横では、永田英二が事のなりゆきを面白そうにニヤニヤと笑っている。
 永田英二と菅野茂、この二人の男子はクラスの嫌われ者であるが、ここ数日やたらと持田が接触しているのを梨乃は知っている。
 今にして思えば、高橋と梨乃との関係を疑い、ついに決定的な証拠を入手して確信を持った持田が、復讐の手助けをしてもらうために面白がって協力してくれそうなこの二人に声をかけていたのだろう。
 持田栄子はどちらかといえばお嬢さまのようにおとなしく、荒っぽい男子などととても接点など持ちそうもないような雰囲気があるのだが。
 ……それほどに、梨乃のことが許せないのだろう。
「何回やったの!」
 かつての持田ならば絶対にいうはずのない生々しい台詞ともに、梨乃の頬を容赦なく打擲した。
「ごめんなさい」
 梨乃は、ぼそりとそういったきりうなだれるばかりであった。
「ごめんじゃないんだよ!」
 持田はまた、頬を張った。
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