一つ目狐の少女が泣いた
一つ目狐の少女が泣いた

発行者:鈴倉 蒼
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:ファンタジー
シリーズ:一つ目狐

公開開始日:2013/03/21
最終更新日:2013/03/21 23:44

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
一つ目狐の少女が泣いた 第2章 気づいた場所は。
心底驚いた。
ボロッボロだった。
継ぎ接ぎしてあるのにそれでもまだ穴の開いたシャツ。
元は長かったのだろうが、引きちぎれて片方は膝までしかないズボン。
そりゃあお高く留まった貴族たちが話しかけられたくないのも、
教養のあまりない御者さえも罵ったのがわかるような格好だった。
頭が痒い、と感じて掻くと恐ろしいほどのフケが落ちた。
ゾワリとして何とはなしに振り返ると暗い影が立ち上っているような場所だった。
まだ昼間だというのに、
酒を飲んで寝ているのか死んでいるのか分らないおじさんが沢山。
ドブネズミが這いずり回り、
その後を元が何色だったか分らなくなった、猫か犬かも分らないものが追う。
薬におぼれた裏貴族のような服を着たのが数人。
ゴミ箱はあらされ、何なのかわからない肉をついばむカラスが羽ばたく。
うへぇ、と思わずつぶやいた後、足元に新聞が落ちているのに気がついて、擡げた。
それから、日にちと現在地を確認しようと覗き込むが、
3
最初 前へ 1234567 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ