新青天の霹靂
第1章 青天の霹靂1
「それは、おめでとうございます。で、何を占ったんですか」
この豪造には、困った癖といえばいいのかあった。
それは、何でも占いで決めるというもの。
それも、タロットとや手相、水晶というなら、まだ納得がいく。
何故か下駄占い。
そう、あの子供の時、あした天気にな~れと、靴を飛ばす、あれである。
それで、以前、急に会社役員を集め、
「ワシは会長職に引く、今後は廉(レン)、お前がやれ」と言ったから大騒ぎである。
それもその筈、廉は、まだ、当時25歳の若輩も若輩だったんだから。
だいぶ、反対の声も上がったが、廉はそれを自分の力を見せることで、黙らせた。
それが、さらに会社を大きくするということに、繋がったから、ますます占いに豪造は、はまっていく。
迷惑この上ない。
それは、今日着る服から、食事に至るまで、全てが万事占いである。
豪造の一日は下駄飛ばしで始まり、下駄飛ばしで終わると言っても、過言ではない。
だから、下駄を飛ばさない日はないのである。
だが、それが、豪造がこうと決めたのが出るまで、ずっと、飛ばし続けていると、気づいている者は何人いるだろうか。
廉と副社長以外、そういないに違いない。
まあ、とにかく占い狂である豪造。
その豪造が何を占ったのだろう?
岬は首を捻る。
廉が助け船を出す用に言う。
「お前、今日でいくつになった?」
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