新青天の霹靂
新青天の霹靂

発行者:まめ
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2013/02/28
最終更新日:2013/02/28 17:06

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新青天の霹靂 第1章 青天の霹靂1
 袴姿で右手に扇子を持っているまるで、某時代劇の黄門様のように、カッカッカッカと笑いながら。

 「喜べ~、岬」

 しかし、岬は自分の世界から出ることはなかった。

 「やはり、何度見ても良いわね」

 自分の世界に浸り込んでいる岬。

 このままでは、気づいてもらえないと、悟った豪造(ゴウゾウ)は、電気をつける。

 それで、ようやく、無粋な進入者に気づいた。

 岬は、不機嫌さを隠そうともせず、冷めた表情で見る。

 しかし、次の瞬間には、驚愕に変わる。

 と言うのも、豪造の格好が某時代劇の俳優さんと同じ格好をしていたのだ。

 紋付き袴に身を通し、片手には扇子を持ち、カッカッと笑う姿は、本当にこれでは、黄門様のようだった。

 「どうかなさいましたか? とうとう、初恵(ハツエ)さんをゲットしたとか?」

 岬の言葉に、豪造は憮然とする。

 どうやら違ったらしい。

 「初恵さんは男を見る目がなさすぎるんじゃ」

 初恵とは、老人会のマドンナだ。豪造はたまたま目にした老人会の集まりで、初恵さんに一目惚れしたのだ。

 それまで、バカにしていた老人会にも速攻入会し、あまりの手際の良さに、周りの者を呆れさせた。

 そもそも、老人会に顔を出したら、辛気くさくなるっと言って、バカにしてたのに、恋は人を変えるとは、よく言ったものだ。

 でも、その初恵さんには、もう好きな人がいた。

 あまり、冴えないけど、人の良さそうなお爺さんである。

 豪造には、悪いが岬が初恵さんの立場でも、豪造は選ばないに違いない。

 「あんな、優男惚れるだけ無駄じゃ」

 プンプン怒りながら言う豪造に、岬は豪造が玉砕したことを悟る。

 まぁ、少しの間、夢見れたんだから、それで良しとしなくては、と思う岬だった。

 「では、どうかなさいましたか?」

 一度ビデオを止め、豪造の方に向き直る。

 岬が聞くと、豪造は待ってましたとばかりに言う。

 「今日は、神崎邸だけ、大安吉日じゃあ」

 「えっと、今日は、うわ~仏滅」

 岬は、カレンダーに目をやり言う。

 「しかも、章子様の四十九日と来た。大安吉日はお爺さまの頭の中だけのようですわ」

 至って、平静に岬は言う。

 「章子様の四十九日など、どうでもいいわい。それより、岬喜べ、ワシが長年、心血を注いだ占いの結果がでたのじゃ」
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