新青天の霹靂
新青天の霹靂

発行者:まめ
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2013/02/28
最終更新日:2013/02/28 17:06

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新青天の霹靂 第1章 青天の霹靂1
 となれば、話は終わるが、終わらないのが岬である。

 なぜか岬は、その映画に、はまっているのである。

 なぜかと言えば、その映画の主人公役の子が、映画の撮影が終わった日に、死んでいて、その魂がこの映画にやどっているのだ。

 岬には、実は人の魂が見えたし、心の声も聞こえた。

 それが、嘘だと言われれば、証明することはできない。

 自分だけが、信じていればいいことだ。

 理解し得ないこともあるだろう。

 残念ながら。

 それを寂しいとは思わない。

 理解してくれる者が、一人でもいれば、平気である。

 だけど、自分を少しでも、鍛えなきゃいけないと、この映画を見ていたのだ。

 何時までも、受動的でいるわけにいかない、こちらから攻める気でいかなくては。

 能動的に、ならなければと。

 だから、けして、趣味というわけで、楽しんでいるわけじゃない。

 と思いたい。思えたらいいな。

 しかし、その霊を成仏させようとか、動く気はサラサラなかった。

 もともと成仏する気がないのに、岬が動くだけ、霊にしてみれば、余計なお世話というものだろう。

 自分の世界に浸り込んでいたため、岬はその不穏な足音に、気づかなかった。

 そのヒタリヒタリと近づく不気味な足音をさせる者は岬に驚愕な話をもってきていた。

 そして、映画が丁度佳境に入ったとき、ドアが開かれた。

 袴姿で右手に扇子を持っているまるで、某時代劇の黄門様のように、カッカッカッカと笑いながら。

 「喜べ~、岬」

 しかし、岬は自分の世界から出ることはなかった。

 「やはり、何度見ても良いわね」

 自分の世界に浸り込んでいる岬。

 このままでは、気づいてもらえないと、悟った豪造(ゴウゾウ)は、電気をつける。

 それで、ようやく、無粋な進入者に気づいた。

 岬は、不機嫌さを隠そうともせず、冷めた表情で見る。

 しかし、次の瞬間には、驚愕に変わる。

 と言うのも、豪造の格好が某時代劇の俳優さんと同じ格好をしていたのだ。

 紋付き袴に身を通し、片手には扇子を持ち、カッカッと笑う姿は、本当にこれでは、黄門様のようだった。
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