新青天の霹靂
新青天の霹靂

発行者:まめ
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2013/02/28
最終更新日:2013/02/28 17:06

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新青天の霹靂 第1章 青天の霹靂1
 時は8月。

 夏、真っ盛り。

 カンカンに照りつける太陽。

 雲一つない快晴だ。

 若者ならば、夏だ、プールだ、海だと、外に飛び出すその最中。

 ここ世田谷の広大な敷地にたつ建物に何とも、不健康な生活を送っている者がいた。

 閉め切られた窓。

 ご丁寧にシャッターまで、下ろされている。

 外からの光を一切遮断した部屋。

 その上、電気までついていないときている。

 付いているものと言えば、テレビとクーラーだけ。

 その光に、照らされ浮かび上がるのは、テレビの前に鎮座して微笑んでいるのは、何とも不気味な少女の姿。

 少女の名は、神崎岬(カンザキミサキ)。

 高校1年。

 今年、志望校に、無事合格した岬は、ようやく、解禁することの出来た趣味(?)の世界に一人没頭する。

 生理的要求以外部屋からでなかった。

 つまり、トイレ、食事、風呂だけである。

 その趣味とは、ホラー映画を観ること。

 別に、ホラーオタクと言うわけではない。

 そこは、間違って、もらちゃあ困る。

 これは、いわば修行って言う奴だ。

 けして楽しんでいるわけじゃない。

 けして。

 たぶん。

 笑っているが、あくまでも修業なはず。

 たぶん、きっと、そう思いたい。

 そもそも、この映画はマイナーで人気も今一つの映画だった。

 映画はミュージックもちょっと外れてて、使っている役者も大根ばかり、せめて脇だけでも固めれば、よかったのに、予算をケチったのだろう。

 散々の出来である。

 その結果、映画は、ほとんど観られることなく終わった。

 チャンチャン。
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