唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第11章 【 旅立ちの日 】籠の鳥~カトライン~その1
 褒められているみたいだが、褒められている内容が微妙だ。
 クラウスは笑っていいのか、ムッとするべきか、どんな表情を浮かべるべきか悩んだ。
 だがすぐに、判断を放棄した。あまりに女の情報がない。
 ヘタな判断はせっかく繋がった自分の首を飛ばすことになりかねない。 
 クラウスは同情を誘うと評される、曖昧な表情を作り浮かべた。
「ひとつ確認なのだが…話しの内容は交換条件に足るほどのものなのか」
 底知れぬ凄みを伴った笑いを浮かべ、女が尋ねる。
 ここで怯むとまた元の危機に逆戻りだ。
 ここは進むしかない。
 またひとつ戻れない道を一歩踏み出したことをクラウスは感じた。
「ええ。デーゲンハルト様は夜の伽だけを求めて僕をここへ連れてきたのではありません。そもそもそんな人ではない事を貴方もご存知のはず。これは、おまけみたいなものですよ。本当の目的は僕の唄を聴くため…数時間に渡って僕の唄を聴き、興味深い話をして下さいました。貴方の知りたいことのヒントがここにあるのではないでしょうか」
 真っ直ぐに女を見つめクラウスは言う。
 女はクラウスの視線を受け、ニヤリと笑った。
「吟遊詩人…バード…唄う鳥か…なるほどなるほど、確かに私の欲しい情報をお前は持っていそうだな」
「ええ。今はこんな声で唄うことは出来ませんが…少し休めば大丈夫です。唄えなけば、歌詞と昨日の夜に話したことの全てを貴方にお教えします」
「そうか。ならば、祭りが終わるまでの間お前を雇おう。祭りの終った日の夜に私は街を出る。ライムント達はその翌日に街を出て私を追う手はずになっている。一日は不安が残るだろうが、逆を返せば一日どうにかすれば、お前の安全は確保されるという事だ」
「ありがとうございます」
「ああ。もしかしたらお前は誤解しているかも知れないが、私達はデーゲンハルトの敵ではない。この先場合によっては共同で任務に当たる可能性もあるから、念のために話しておく。私達の今の立場は単なる競争相手だ。上司同士がちょっとした意地の張り合いをしていて…な。ゲームの駒みたいなものだ。時々とばっちりがあってアクシデントが起こるという感じだ。もしお前がまたデーゲンハルトに会うことがあれば、今回の件を話すんだな。謝罪とそれなりの保障をしてもらえるだろう」
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