唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第10章 【 旅立ちの日 】 籠の鳥 ~ ライムント ~その2
「ああ。あの…確かに。コイツいい具合ですぜ」
 そう言って、クラウスの尻を持ち、中を抉るように動く。予告もなく乱暴に動かれ、クラウスは内臓を描き回される不快感に喘いだ。
「……んっ……ぁ…っ……」
「随分といい顔してるじゃないか…肌つやもよくなって…見違えたな」
 クラウスの苦しそうな顔を見て、ライムントは今度は心から楽しそうな顔をした。
「またお前に会えて。嬉しいぜ。俺はお前を特別に可愛がっていたからな。お前に逃げられて哀しかったなぁ。まぁ、でも逃げて正解だったかも知れねぇな。あそこで逃げてなきゃ、二度と会えなくなってかも知れないからな…」
 クラウスは驚愕に目を見開く。
 大変なことに巻き込まれ、逃げ出すのが困難になってしまった事を悟ってしまったからだ。
 ウォルフの話を思い出す。盗賊団は騎士団が討伐したという話。
 首領は取り逃がしたという話だが、もし騎士団と繋がった者が首領だったとしたらどうだろう。
 必要な情報だけを与えて消える事は可能だ。
 そして、この場所に居る理由も判る。
 国が後ろ盾にいる。
 そんな組織とのつながり。
 ライムントはそれを示唆していた。
 そしてこの事を知った以上、クラウスはこの国で安心して過ごせないという事も示している。いわば国家の裏の情報を知ってしまったという事になるのだ。
 朝方に感じた、あの嫌な感じの予感を無視した事をクラウスは痛切に後悔した。
「もしかして。デーゲンハルトと仲間だったのか」
 ライムントに何気なく問われる。
 言葉は、ふと思いついたような言い方だったが、そんな事はないだろう。
 別の緊張がクラウスを包む。
 気まぐれに嬲られたり、衝動的に殺されるなどと言った災難ではなく、明確な意思を持って拷問される可能性を秘めている。
 デーゲンハルトの属する組織とライムントの所属する組織は敵対関係に…少なくとも今の間があるという事を現している。
 宿の中では出来ることは限られているが、もし外に連れ出され捕らえられたら、その時は人知れず闇に葬り去られるに違いない。
…どんな事をしても、この場から逃げなければ。
 そう思うけれど、どうすればいいのか判らない。
…助けて。助けて、助けて。誰か。誰でもいいから。
…おれを助けて。
 心の中でクラウスは叫んだ。
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