唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第8章 【 収穫祭 】 夜に啼く鳥 ~ デーゲンハルト ~ その4
言い募ると切なそうな瞳でデーゲンハルトはクラウスを見つめた。
「他に約束したい人はいないのか」
「いません」
 即問しながら、クラウスの脳裏をデーゲンハルトとは違う男の顔が横切った。
 古い友人のウォルフ。
 ドキンと胸が変な音を立てる。次いで、引き絞られるような鈍い痛みがクラウスを襲う。
 最終日の約束を一方的に告げた、ウォルフのことを急に思い出す。
 酒場でのいつもと違った行動や表情が、まざまざと思い出される。
 強く早く鼓動が打ち始めた。
 どうしてだかクラウス自身自分でも判らないが、デーゲンハルトの目を見ていられなくなって、視線をそらして顔を伏せた。
「そう言われると光栄だな」
 クラウスの行動をデーゲンハルトはどう考えたのか判らないが、嬉しそうな声で応えが返ってきた。
 クラウスはギュと目を閉じ、胸に沸いた思いを打ち消すと、艶やかな作り笑顔にする。
「今度は僕にさせてください。貴方を感じながら。貴方を良くしたい」
 クラウスは上体を起こし、デーゲンハルトの唇にくちづけた。
「無理はしないでいいよ」
「無理じゃありません」
「では今度はゆっくり…私もそう若くないから」
 デーゲンハルトの言葉を確認するようにクラウスが彼の中心をそっと撫でると、彼の中心は形を変えはじめていた。求められていると実感してクラウスは笑みを深める。
「若くないなんて。貴方のはもうこんなになっているのに…でも、僕も貴方をゆっくり感じたいから。今度はゆっくりと…ね…」
 クラウスはそう言いながら、デーゲンハルトの股に顔を埋める。
 脳裏ではウォルフの事が張り付いたまま離れないが無視する。
 行為に集中しなければ。
 強く思う。
 クラウスは、何度も何度も自分にそう言い聞かせた。


 そしてその後、デーゲンハルトとクラウスは、夜明け前までソフトな交歓を繰り返し、お互いの体を堪能したのだった。
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