唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第6章 【 収穫祭 】 夜に啼く鳥 ~ デーゲンハルト ~ その2
 デーゲンハルトのくちづけは優しい。がっつく様子はなく、この先の行為でもそう乱暴なことはされないであろうという事はこれだけでも判る。
 彼の体に軽くまわした腕からは鍛え上げられた硬い筋肉が感じられ、クラウスは早く彼の腕の中に包まれたいと思った。
 過去経験した甘い交歓を思い出し、熱い夜への期待が募る。
 先の事を想像して、気落ちが暴走をはじめる。
 体が熱く火照って、頬だけじゃなく全身が赤くなるのをクラウスは感じた。
 啄ばむような、くちづけは続いていた。
 こんなことだけで呼吸が乱れる。
 クラウスはくちづけの途中で、乱れた呼吸を戻そうとする。
 無意識に唇を薄く開くと、その隙間からデーゲンハルトの舌がすべり込んできた。
 クラウスの舌を捕らえ絡めてくる。
 背中には腕が回され、力強くデーゲンハルトの胸に抱きしめられた。
 ギュッ…と、広い胸に抱きしめられると安心感と心地よさが押し寄せてくる。
 ひとりではない。
 今だけは、ひとりではない。
 そうクラウスがそう強く感じる瞬間だった。
 懐かしい感触に目が潤んでくる。
 父と母には慈しまれて育てられたという感覚も思い出もあるが、母は5才で失い父とも今生で別れて6年目になる。
 思い出の中の愛情だけで生きていくのは難しい。
 現実の冷たい厳しさに直面する度、心は冷え凍りつきそうになる。
 そんな時に抱きしめられると、凍えている心の奥がほんのり暖かくなるような気がした。
 気持ち良い事は全て好きだが、クラウスが何より一番好きなのは抱きしめられることかも知れないと自分でも思っている。
 今までどちらかというと、クラウスの相手は年上が多い。
 それも10歳も20歳も上の男女だ。
 初めての経験が同年代のウォルフと過ごした夜で大変な思いをし、その後に慰められたのが妖艶な熟女だったということも関係している。
 女性との営みを手取り足取り教えてもらい、行為に伴う歓びを知った。
 その後、男性との愉しみ方を手ほどきしてもらったのは、父親と同じくらいの年齢の男性だ。
 若い人よりも年上の人との行為になれていても仕方がないだろう。
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