唄う鳥・嘆く竜(前編)
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第6章 【 収穫祭 】 夜に啼く鳥 ~ デーゲンハルト ~ その2
 さっき酒場でデーゲンハルトとそんな話しをしていたが、クラウスは逆に一般的な唄というのを知らないので、不確定な反応になる。
 同じ吟遊詩人同士で出会っても、唄の話しにはあまりならない。世間話だけで終ってしまう。
 お互いの仕事の邪魔をしないという暗黙の了解があるからだ。
 立ち寄った先で、先についた吟遊詩人が唄を歌っている場面に出くわす事もあるが、多くの確立で恋愛の唄だった。
 恋愛の唄はそれこそ場所や季節、その時代の流行に合わせて新しく作られていくので、持ち歌はあまり重ならない。
 今回のような唄の内容を重ね合わせ検証することなどした事もなかった。
「一般的には嘆きの竜が蘇るために行われる儀式は『風の峠』のある場所で平和の魔法を施し、火の丘で封印を解くという内容ですが…
クラウス殿のは『風の峠』で隠された秘宝を見つけ出してから、その儀式がはじまることになっている。
そしてその隠された秘宝とは、唄う鳥の持つ赤き石という事になっている。
曲としては二小節ほどメロディーの繰り返しが多いだけだが…
いや。なんとも。興味深いないようです。今まで『嘆きの竜』の最後の曲は数多く聴いてきましたが、こんな唄ははじめてです」
「そうなのですか…」
「この唄は誰から伝わったのでしょうか、ご存知ですか」
「私は父から教わっただけで、ルーツなどはよく知りません。説明に足るような唄も教わっていませんし…ご期待に沿えず申し訳ないです」
「いえいえ。そんな事ないですよ。学者じゃなく、吟遊詩人でらっしゃるのですから。唄を憶える以上の事を求める私が間違っているのですよ」
 恐縮した態度を見せるクラウスにデーゲンハルトは安心させるように微笑んで答えた。
 その後は、酒を飲みつつ語らい、話しの内容に関わる唄をデーゲンハルトの希望で唄った。
 夜もふけ酒も良い具合に回った頃、デーゲンハルトは何気なく言った。
「では、そろそろ寝ますか…見ての通りベッドは広いですから、クラウス殿がどちら側で寝ても狭いという事はないでしょう。普段泊まる宿屋は狭いベッドの部屋が多かったので、広いベッドの部屋をお願いしたら、こんなに広くて…正直ひとりで使うには勿体無いと思っていたところです」
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