唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第6章 【 収穫祭 】 夜に啼く鳥 ~ デーゲンハルト ~ その2
 宿屋の主人が全部自分で行っているとは到底考えられないから、専属の魔術師が雇われているのだろう。
 クラウスはわくわくしながら、でもそれを顔に表さないように、こんな場所慣れているかのような表情を作りつつ、デーゲンハルトの後を追い、部屋に入っていった。
 部屋は広く置かれている家具はどれも派手ではないが、細かいところまで細工が施されていて手入れが行き届いている。
 部屋の奥は広い広いベッド。脇にテーブル。
 テーブルを囲むように長椅子が二つ配されている。
 夫婦でくつろぐ部屋の広さでも充分すぎる作りだった。一人で部屋を取っているということは、やっぱり他の人を招こうというつもりなのではなかろうか。
 そんな風に思わせる部屋だった。
 世の中には色々な性格の人もいるから、そう断言はできないが。
 思いを巡られていると、デーゲンハルトに長椅子に座るよう勧められた。
 クラウスは遠慮なく座り竪琴を出して、優雅に構える。
「では。何を唄いましょうか」
 営業用だが自然に見える微笑を浮かべて問う。
 答えは判っていたが、一応は希望を聞いた。
 この国の建国の伝説だけに、関わる唄全てを唄うとかなりの数になる。
 メインの伝説でさえ20曲。他に関わる唄となると100曲は下らないのではないか。
 クラウスは頭の中にある唄を探しながら思った。
 よく唄う曲のリクエストだったらいいが、滅多に歌わない唄になると完全に思い出せるかどうか。
…出来れば、最初の曲だけは、馴染みの唄でありますように。
 クラウスは、まるで抜き打ちの試験に臨んだように緊張してきた。
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