唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第5章 【 収穫祭 】 夜に啼く鳥 ~ デーゲンハルト ~ その1
 クラウスが連れて行かれた場所は、中心部からはやや離れているものの神殿にやや近い場所だった。
 毎年立ち寄る街なのに、クラウス数えるほどしか通ったことはなかった。
 歩いている人々の服装からして違う。
 周囲は薄暗いのに、ひとめで高価な布地で作られたのが判る、凝ったデザインの服を着ている。
 祭りの日だからか変わった形も多く、酒場では目立ったクラウスの服がそう場違いではなくなっている。
…そっか。この場所を通ってたから、おれの服をおかしく思わなかったわけか。
 物珍しく周囲を観察していると、目の前を行くデーゲンハルトが堅牢な造りの一軒の白い建物に吸い込まれていく。
 クラウスは慌てて追いかけた。
 入り口でデーゲンハルトは待っていた。
 連れ立って入っていくと、身奇麗な格好をした男性が柔らかい笑顔で迎えた。
 宿屋のものなのだろう。デーゲンハルトと二言三言会話を交わすと鍵と四角い紙片を渡した。
「こっちだ」
 デーゲンハルトはクラウスに声をかけると、中央の階段を上っていく。
 階段の壁には呪詛避けの文様が美しい装飾の中に埋め込まれている。
 クラウスも知っている一般的なものだけでなく、単なる装飾なのか魔術的な意味のある図形なのか判らない文様まで。
 装飾の中に装飾を重ねたような壁。
 圧倒的な力をその壁から感じた。
 興味をそそられたが、今日は壁の観察に来たわけではない。
 後ろ髪を引かれる思いだったが、歩きながら見れる範囲で鑑賞しながら、デーゲンハルトと距離が離れないように気をつけた。
 階段が終ると長い廊下に繋がっていた。
 廊下の壁には伝説の英雄と竜、女神が描かれた高名な絵師の絵が幾つもかけられている。
…そういえば、去年泊まった宿屋も似たような絵をかけてたっけ。
 クラウスは、ふと思い出した。
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