唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第5章 【 収穫祭 】 夜に啼く鳥 ~ デーゲンハルト ~ その1
 乾杯をして杯を煽ると、男性の方から口を開いた。
「お若いのにご存知なのですね。どこの学び舎で学ばれているのですか」
 丁寧に尋ねられ、クラウスは真っ赤になった。
 何処かの貴族や豪商の子息に見られたのだろうか。
 確かにクラウスの着ている服は高価なものだが、 全体に派手で目立つようになっており、一見すると芸人にしか見えないはずだ。
 いや。こんな格好だからこそ、羽目を外した世間知らずの子息にみられたのかも知れない。
 放浪の旅人に見られる、荒んだ安っぽい雰囲気をクラウスは持っておらず、それは父の育て方と経験による学習の賜物だが、それにはクラウス自身は気づかずにいた。
 ただ、人物評価としては高くなったという事だけは単純に喜ばしい事実だ。単純にクラウスは喜んだ。これで役に立つと思われると仕事に一歩近づける。
「いえ。吟遊詩人をしておりますので、知っているだけです」
 クラウスは控えめに苦笑して口を開いた。
 背筋を伸ばし、口調を改める。
「吟遊詩人?」
「ええ」
「なるほど、それで。であれば嘆きの竜のことは、よくご存知のはずだ」
「そうは詳しくありませんよ。私は唄や詩になっているものしか知りませんし」
「いえいえ。ご謙遜を…実は私は嘆きの竜に興味がありまして、詳しく調べているところなのです」
「まぁ。それは珍しい」
「ええ。ですから出来れば詳しく話しを聞きたいと思っていますが」
「もちろん。喜んで」
 クラウスは男性の要請に応じ、話しはじめる。
 伝説の概要とひとつひとつの唄の内容など。
 男性は知識が豊富なようで、クラウスの知識と他の詩人の唄との違いなどを指摘してきた。
 男性は独自の解釈をして、違っていた経緯を国の歴史と絡めて話してくれた。
 クラウス自身は自分の教えてもらった唄しか知らないので、それに対してコメントは出来なかったが、深くて広い知識に接し元来持っていた好奇心と知識欲をくすぐられた。
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