唄う鳥・嘆く竜(前編)
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発行者:行之泉
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:唄う鳥・嘆く竜

公開開始日:2010/07/17
最終更新日:2010/08/08 22:41

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唄う鳥・嘆く竜(前編) 第3章 【 収穫祭 】酒場にて ~ ウォルフ ~ その2

 クラウスが茶化したように言うと、ウォルフは押し黙った。
 触れてはいけない事柄に触れてしまったみたいな反応に、クラウスも次の言葉が続けられない。
「恋愛運……」
 短い沈黙の後、ウォルフはクラウスの言葉を噛み締めるように繰り返し呟く。
 クラウスを真っ直ぐな瞳で見た。熱を帯びた真剣な瞳。
「確かに、そうだな」
 何かを決意した瞳でクラウスを見つめた。
 マズイ事言っちゃったかなという気持ちにクラウスはなった。
 このまま深刻な打ち明け話になるのだろうか。
 そう思うと腰が引ける。
 こういう場合どうすればいいのか、判らないからだ。
 クラウスは何かを言いかけたウォルフの言葉を遮るように口を開いた。
「石と石を繋いでいる組み紐の結び目にも意味があって、災厄から身を守る」
「この紐…の色…お前の髪か」
「あ…気がついた?そう、おれの髪の毛で編んだんだ。割と細いし、束ねると強度も出るし。人の髪の毛には魔力を増幅する力が宿っているからいいかと思っったんだけど…もしかして気持ち悪いとか思った?」
「いや。そんな事ない。ご利益ありそうだ。まるでお前が守ってくれるみたいだな」
 ウォルフは瞳を輝かせた。
 そんな風に褒められると今度は照れてしまう。
 クラウスはウォルフを見てられなくて、顔を俯かせる。
 そして今度は照れ隠しに言わなくてもいい事を口走った。
「ホントは。さ。ウォルフに似合うような美しくて貴重な石が手に入ったんだけどね。ドジッって盗られたんだ。それがあったら、もっともっと良い物に出来たんだけどな。近道なんかするんじゃなかった。あー。失敗した」
 そこまで言ってクラウスは自分が失言をした事に気がついたが、口から出た言葉はもう戻らない。
 ウォルフを伺い見ると、さっきまでの表情は一変して厳しい顔つきになっていた。
「クラウス。お前。まさか」
 何かを察したように、ウォルフは聞き返した。
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