俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第2章 第一章、俺様王子と不機嫌の種
 ウォーレンは、わなわなと震えた。

「まあ、君もようやく跡継ぎとしての自覚が出てきたんだね」

「何の話です」

 ウォーレンがうろんげに王の方を見ると、見覚えのある日記帳が、ガートン王によって掲げられていた。

「婚約者以外にも、目が行くなんて、堅物の君には珍しいけど。でも、私としては喜ばしいことだと思うよ」

 キュイリ殿とは上手く行きそうにないもんねえ、君。
 他人事のように、王は呟いた。

(アンタの尺度で物事を測るな。大体アンタは基準がおかしいんだ)

 ウォーレンは盛大に溜息を吐くと、つかつかと足音を立てて、王に近寄り、日記帳に手を伸ばした。
 ひょいっと、王が日記帳を動かす。すかっと、ウォーレンの手首が宙を掻く。
 ひょい。すか。ひょい。すか。
 ジレンマがウォーレンを襲う。王は、というと、そんなウォーレンを見て、声を立てて笑った。

「ウォーレン。本当に君は面白い子だね。素直に言えばいいのに」

 ウォーレンが困っているのに、スカイは勿論の事、トールまで無言だ。

(コイツ等全員、海の藻屑になってしまえばいい!)

「ほら、『返して下さい。お願いします』は?」

「いい加減にしろっ、この馬鹿親父っ」

 ウォーレンはテーブルを両手で叩いた。どんっと大きな音がした。

「相変わらず、短気だねえ」

 はい、と、王が、呆れたように日記帳を差し出した。ウォーレンはそれをひったくるように取る。

「短気は損気っていうでしょ? そんなんだから意中の子にも逃げられるんだよ」

「まだ、逃げられたと決まった訳じゃ」

「意中の子っていうのは、否定しないんだ?」

(しまった! 誘導尋問か!)

 ウォーレンは慌てたがもう遅い。
 しかし、王は、興味なさそうに「そうか」と席を立った。

「呆けてないで、仕事の続きをしなさい。私はこれで失礼するよ。スカイ」

「はっ。ウォーレン殿下、失礼致します」

 ウォーレンが呆気に取られる中で、歩く台風ことガートン王は、従者のスカイを連れて、ドアの向こう側に姿を消してしまった。

「何だったんでしょうねえ」

 トールの呟きがウォーレンの後ろから聴こえた。
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