俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第2章 第一章、俺様王子と不機嫌の種
 ウォーレンは目を瞑る。時折吹く爽やかな風は、噴水の冷気を運んでくれる。

「聴いていらっしゃいまして? 殿下」

「ああ」

 嘘だった。ウォーレンは、話を左から右に聞き流していた。

(どうせ、くだらないことだろう?)

「お父様ったら、横暴にも程があると思いますわ。わたくしのお気に入りの侍女でしたのに」

 ウォーレンはキュイリを観察した。小麦色の髪は、後頭部から真っ直ぐに下ろし、前髪を含め淵だけ編み込みの三つ編みがしてある。
 手が込んでいる、とはウォーレンは思わなかった。ウォーレンの姉妹の中には、もっと派手な髪型を好む者もいる。
 キュイリは目鼻立ちははっきりとしている方だ。きっちりと眉を描き、額をだしている。
 ふと、意思の強い眼差しがウォーレンに降った。目が合う。ウォーレンがじっと見つめると、キュイリの方が先に目を反らした。
 話が切れる。調度良い、と思って、ウォーレンはキュイリに尋ねた。

「それで、用件は何だ、キュイリ」

「まあ、殿下。わたくしが、殿下に会いに来るのに理由が必要ですの?」

 キュイリは東の島国から取り寄せたという、丈夫な紙で出来た大きな扇を口元に寄せる。目くじらを立てるようにあからさまに不機嫌な表情になった。

(だから、女は面倒なんだ)

 ウォーレンは内心舌打ちをする。

「用がないなら、俺はこれで失礼させてもらう。仕事が溜まっているからな」

「ええ、そうでしょうとも。殿下はわたくしがお嫌いですものね」

「話を極端にしないでもらいたい」

「キュイリ様、殿下は本当に仕事があるんですよ」

 後ろから、トールが助け舟を出した。

「黙りなさい、トール。それをなんとかするのが貴方の役目でしょう」

 ウォーレンはふう、と息を吐いた。

(手のかかる女だ)

 ウォーレンはキュイリの座っているイスを引くと、その額にキスを落とした。

「キュイリの為に、トールが時間を作って、こうして三時のお茶が飲める位の余裕ができたんだ。キュイリの為に、俺は仕事を早く仕上げた」

 途端に、キュイリの頬が真っ赤に染まり、とろんとした目つきになる。ウォーレンはうっとりとキュイリに見上げられた。

(まあ、悪い気はしないけどな)

 相手は婚約者。将来の妻だ。
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