俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第2章 第一章、俺様王子と不機嫌の種
「第一子の誕生、おめでとう」

 トールは一瞬虚を突かれたように、二三度瞬(まばた)きをした。

「ありがとうございます~」

「男子だってな。後で祝いの品を贈らせよう」

「止めて下さい~」

 馬鹿がうつります~。トールは照れたように微笑んだ。
 一言余計である。ウォーレンはむっとして言葉を探した。探したが出てこない。

(断じて図星な訳じゃないからな!)

 心の声だけは勇ましいウォーレンである。

(トールは変わったなあ)

 王城内では、トールのことを、「視線だけで殺せる」と信じている輩が少なくはない。
 それだけ冷徹で残虐なことを行った過去。
 噂は尾ひれをつけて、トールの人物像を大きく歪ませている。
 けれど。

(トールを変えたユイア殿って、普通の女性なんだよな)

 ユイア・マリー・カラカン。中央大陸の最北端にある、カラカン帝国の第三王女。カラカン帝国の歌姫とも呼ばれている。
 ユイアの透き通るソプラノの歌声は、聴く者の心を潤し、癒すという。
 トール夫婦は城内の宿舎で生活している。ユイアは昼間、ウォーレンの妹であり今年で十歳になる王女トゥズラの相手を務めている。
 ユイアのお陰で、トールは周囲と馴染みつつある。
 正午の鐘が鳴る。ウォーレンは執務室の窓の桟に手を置くと、そこから首都ミンスクの景色を眺めた。
 晴れ渡る空はどこまでも続いていく。大地に恵みを落とす太陽は、輝きを失うことはない。
 街の上を吹き抜ける風が、生温かった。


 紅茶にいれた氷が、しゃらん、と鳴る。
 三時のお茶は酷く不味い。

「お父様ったら、それでわたくしの侍女を辞めさせてしまったの」

 噴水のある庭にセッティングされたテーブルとイスは名のある彫刻師に彫らせたものだ。足の先が丸く反っていて、イスの背もたれには薔薇の柄が彫られている。
 鮮やかな緑が、目に眩しい。
 足の裏で踏む芝生は、ウォーレンの足を心地よく包んだ。
 ウォーレンたちは、パラソルで出来た日陰に座り、一息ついたところだった。
スタッピアの隣国ピアーシャの第一王女キュイリの話を尻目に、ウォーレンは焼き菓子を摘まんだ。
 キュイリは壊れた蛇口のように喋り続けていた。

(女ってのはどうしてこう話のネタが尽きないんだ?)
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