俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第2章 第一章、俺様王子と不機嫌の種
 十年前、伯爵家で何があったのか。ウォーレンは詳しくは知らない。ただ、ガイスター伯爵は、トールに身内殺しをさせた、と。七人いたトールの兄姉が、当時十歳のトールに皆殺しにされた、と、聴いていた。
 王城に来たばかりのトールは、子供にしては冷めた目つきをしていた。とてもじゃないが事件について訊ける度胸は、当時のウォーレンにはなかった。ウォーレンはトールに畏怖すら抱いていた。
 それが変わったのは三年前の冬、トールがユイアに出会ってからだ。

(愛の力は偉大だよな)

 と、ウォーレンは思う。
 あのトールが柔らかく微笑み、相手を気遣うところなど、それまで見たことがなかったからだ。無理もないだろう。

「へえ~、殿下って、私のこと、そんな風に思っていたんですね~」

 いつの間にか、日記帳に目を通しながらトールが呟いた。

(なんで、俺の考えがコイツに伝わってるんだ)

 憤慨しながらウォーレンがトールを睨みつけると。

「口から漏れてますよ~。しかし、殿下。これ、欲求不満じゃなかったら何だと思っているんですか~?」

「か、返せ!」
 ウォーレンはトールの手から、日記帳を奪い取った。
 トールは相変わらず見ていて腹の立つ表情をしている。

「確かに、キュイリ様は私も苦手ですけどね~」

 哀れみの目で見下ろされた。

(油断も隙もありゃしない)

 それもそうなのだが。

(従者のくせに、なんて生意気なんだ)

 「覗き見の趣味はなかったんじゃないのか」

 非難を込めた低音で、ウォーレンはトールを責める。

「覗き見じゃありません~。殿下の前で、堂々と読んだだけです~」

「ものはいいようだな」

「ええ~。隙だらけの殿下が悪いんですよ~」

(なめられているような気がするのは気のせいだろうか)

 本気で悩むウォーレンである。

「そんな殿下に朗報です~」

「なんだ」

「午後のお茶にキュイリ様が来るそうですよ~」

 欲求不満、解消してくればいいじゃないですか~。
 トールは爽やかに笑う。

(ああ? 他人事だと思いやがって)

 恨みがましい視線を送ってみるウォーレンだったが、トールに笑顔で流されてしまった。
 ダメージMAX。

「仕事するか」

「そうですね~」

「あ、そうだ、トール」

「何ですか~?」
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