俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第2章 第一章、俺様王子と不機嫌の種
「殿下~? 顔が死んでますよ」

「ふっ、暑さに流石の俺も参ったか」

「下手な現実逃避してないで、書類に集中して下さい~。今、ハーブティを持ってこさせます~」

 トールは呼び鈴を鳴らした。黒を基調とした服が入ってくる。

「殿下に紅茶を。ペパーミントがいいでしょう。頭をすっきりさせていただかなくてはなりませんから」

「かしこまりました」

 トールの注文にウォーレンは唸った。

「ミントは苦手なんだ……」

「だから、余計に良いんですよ~。味を忘れるために、業務に集中するでしょう~? まだまだやることは山積みですし~。殿下にへたばっていただく訳にはいきません~」

 ウォーレンは馬鹿らしくなって鼻を鳴らした。トールの目尻が可笑しそうに下がる。

「俺がへたばる訳、ないだろう」

「分かりませんよ~。殿下はへなちょこですからねえ」

「失敬なヤツだな、お前は」

 些かむっとして、ウォーレンが答えると「本当のことですから~」と返ってきた。

「お前には心遣いというものがないのか」

「私の優しさは全てユイアのものですから~」

 トールはさらりと、のろけ、を言った。
 ユイアというのは、金色の瞳が魅力的だけれども全体的に清楚な印象を受ける、トールの奥方のことだ。

(世の中は平等じゃないよな)

 ウォーレンは、引き出しから、お気に入りの手鏡を出して、自分の顔を眺めた。

(こんなに良い男がいまだにフリーだなんて)

 ウォーレンは女性に夢を見ている。赤い糸で結ばれた、運命の相手がいると信じて疑っていなかった。

(ああ、俺の片割れはどこにいるんだ)

「殿下にはキュイリ様がいらっしゃるじゃないですか~」

「俺はあいつが嫌いだ」

「嫌い嫌いも、好きの内ですよ~」

「嫌味か?」

「ユイアは、あげません~」

(なんで、コイツは俺の従者なんてやっているんだろう)

 そんな考えがウォーレンの頭を過ぎる。しかし、トールは従者としては優秀だった。


 トールの父親――ガイスター伯爵は十年前まで、大将軍として、王城に勤めていた。 トールが剣技の才能を見せるまでは。
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