俺様王子の恋愛街道
第4章 第三章、俺様王子と光の君
「待ちわびたぞ、ウォーレン! 妾はお主に会いたかった」
少女の背丈は、一五〇センチに近いトゥズラと同じくらいだろうか。頭がウォーレンの胸の辺りで動いている。
夏の日差しに映える濃い緑色の髪は、さらさらと音がしそうだ。少女の動きに合わせて左右に踊る。
「メイヴィット様、落ち着いて下さいねえ。ホラ、王子様、固まっちゃってるから」
「む。それはいけない。ウォーレン。失礼した。向こうでゆっくりと話そうぞ」
「何故」
ウォーレンは、衝撃で固まっていた。トールとシーニィが何か言っている。言葉は脳に飛び込んでくる。ウォーレンはそれを理解することはできる。しかし、脳の処理は追い付かない。まどろっこしかった。ウォーレンは、メイヴィットの両肩を鷲掴みにして、まじまじと見つめた。
「君がどうしてここにいる?」
ようやく言葉を絞り出した。
濃緑の長い髪。穏やかな茶色の双眸は悪戯に光る。華奢な身体。抜けるように透明な肌色。黄緑色のドレスは、身体に密着するような型だ。
「どういうことですか、殿下」
トールが、口を挟む。
「夢(くだん)の女性だ」
呆けたようなウォーレンの声に、メイヴィットの笑い声が響く。
「まあまあ、立ち話も良いけど、フィーリーには美味しい紅茶もあるのよ、ウォーレン様。ゆっくり座りながらでもいいでしょう?」
シーニィがメイヴィットをウォーレンから引き離す
32