俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第3章 第二章、俺様王子とフィーリーの使者
 馬を手近な木に繋ぎ、厚手のマントを降ろして徒歩で行く。途中で小川に差し掛かった時、急な斜面でウォーレンは足を滑らせた。咄嗟に長い多年草の葉を掴む。
 太陽は南中を過ぎ、標高が高いせいか暑いよりも些か肌寒い。空気は心なしか澄み、小鳥の囀(さえず)りがよく響く。木々は歌い、木の根は、まるで生きているかのように、踊る。
 山道を数刻進んだところで、一本の太くて大きなブナの木が現れた。その中央にはヒト一人入れるくらいの大きな洞がある。
シーニィが洞の前で立ち止まって、ウォーレンたちを振り返った。「ここよ」
「この洞の向こうが、フィーリーなの」
 先に行って、と言われて、ウォーレンは、恐る恐る中を覗き込む。
 どこまでも続いていそうな漆黒の闇がウォーレンの瞳に映った。
 まず、トールが闇の向こうに消える。次はウォーレンの番だ。
 腰を屈めて、洞の淵に足を乗せる。そこから目を瞑って、想いっきり飛び込んだ。
 きらきらと白銀に光る一面の雪。さくっという音と共に、ウォーレンは着地した。
 林の中の開けた場所。目の前に、コバルトブルーの湖が広がっている。ウォーレンが後ろを見ると、シーニィが大きな木の洞から身体を出すところだった。こちら側の木も立派なブナだった。
「ようこそ、フィーリーへ」
 シーニィが微笑む。そのとき、濃緑の波が、ウォーレンの視界を移動した。
「ウォーレン!」
 甲高い、少女特有の声。ウォーレンの思考が、パリンと砕けた。

第二章、俺様王子とフィーリーの使者
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