俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第3章 第二章、俺様王子とフィーリーの使者
「あらやだ、毒なんて入ってないわよ、ウォーレン様。冷めちゃうわよ?」
 シーニィが可笑しそうに笑った。ウォーレンは匙の半分を口に含んだ。熱いものが、口内を満たす。何度か噛んでいるうちに、シイタケに似た、茸の風味が、鼻の奥を通り抜けた。
「うまいな」
 ぼそっとウォーレンは呟いた。粥をかきこみ、スープまで飲み干す。熱が伝導する。身体がほてる。ウォーレンの額から、汗が伝って落ちる。
 大きく息を吐き出して、空になった茶碗に目をやった。シーニィが無言で手を差し出す。
 二杯目もウォーレンは難なく平らげた。
 食後、用を足して戻ってくると、トールだけが茶を飲んでいた。
「シーニィは」
「鍋を洗いに行きましたよ~。小川があるみたいですね~」
 耳を澄ませば、川のせせらぎが微かに聞こえてくる。
「殿下の分です」
 差し出されたのはトールが飲んでいるものと同じものだ。透明な琥珀色の液体は、キールに襲われる前に、シーニィが淹れたものと同じ匂いがした。
「殿下~?」
 気遣わしげなトールの声。
「お前、それ、苦くないのか」
「お子様には苦いかもしれません~。あ、殿下はもうすぐ成人なされますし、大丈夫ですよね~」
 にこにこと、元気いっぱいの笑顔が返ってきた。
ウォーレンはがくりとうなだれ、己の変化に気付いた。心なしか身体が軽い気がする。
(さっきのショッキングピンク雑炊のおかげか?)
 だとしたら、恐ろしい。この恐ろしさは、得体の知れないものに対する恐怖だ。
 自分たちは、本当に未知の世界に足を踏み入れたのだ、とウォーレンは改めて思った。
「お待たせ~」
 頭上から声が降ってくる。目線を上げると、シーニィが器用に枝から枝へ飛び移って、終いに、着地した。
「お腹も膨れたし、行きましょう!」
30
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