俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第3章 第二章、俺様王子とフィーリーの使者
 干した米を水で戻し、シーニィが採ってきた色鮮やかな茸や葉を千切り、一緒に鍋に入れた。蓋をし、煮込む。
米はスタッピアでは滅多にお目にかかれない。稲国サフランと小麦国スタッピアは仲が悪く、それは米の流通にも反映されていた。
スタッピアの南方で栽培される小麦と比べて、米は二倍から三倍と値が張る。到底庶民が口にできるものではなかった。しかし米は栄養価が高く、ウォーレンは民が食べられるように、スタッピアでの稲作農業に多くの投資をしていた。しかし、歴史的にも小麦に慣れ親しんだ国民は、なかなか手強い。スタッピアの気候から、雨の少ない季節もあるので、稲作には降水量が足りないと、農業組合代表がぼやいていた記憶も、ウォーレンにはあった。
「もう、いいかしらね」
 シーニィが鍋の蓋を取る。ほかほかと湯気を立てる鍋は、ショッキングピンクに変化していた。
「これを、食べるのか……?」
 ウォーレンの背中を冷や汗が走る。ごくりと生唾を飲み込んだのは、スープの色に反して、茸独特の美味しそうな匂いが鼻をくすぐったからだ。
「あら、フォーリンの茸は、疲れの原因、乳酸を吸収して体外にだしてくれるのよ」
 身体にいいのよお、とシーニィはいそいそと、茶碗に雑炊をよそりだした。
匂いはいい。空腹を主張する身体が憎らしい。しかし色はショッキングピンク。
(うちの親父の頭の中身みたいだな)
 心の中で、納得するウォーレンである。
 トールも隣で、茶碗を手に固まっていた。しかし、ウォーレンと視線が絡むと、一度頷いて、意を決したように、匙で中身を掬う。
 まるで、戦争の前線にいるかのような緊張感。
 トールは無言で咀嚼(そしゃく)し、飲み込んだ。「トール?」ウォーレンが問うと「美味しいです~。シイタケに近い味がしますよ~」
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