俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第3章 第二章、俺様王子とフィーリーの使者
「でしゃばるな、トール!」
「そう言っていられる場合ではないですよ、殿下。ガートン陛下は太平の世をお造りになられた。今のスタッピアは非常に安定しています」
「そんなことは解っている」
「頭で解っていても意味はありません。戦になれば、峰打ちでは生き残れませんよ」
「それも解っている」
「とんだ甘ちゃんに育て上げたわね、ガートン様は。でも、ちゃんと、まともな従者をつけている辺り、自覚があるのかしら」
 シーニィが視線をずらしたので、その先をウォーレンも追う。すると、先程の残り、キールの死骸を踏み付けているトールの姿が目に入った。キールの一人に突き刺した剣を抜くと、長い白い髪に血飛沫が飛び、それが幾重にも重なって染みを作っている。
 ウォーレンの方を向いて、刃を布で拭くトールの顔は無表情で、ぞっと背筋が寒くなった。
「トール」
 彼の名をウォーレンが呼ぶと、トールは、人を刺したとは思えない程涼しげな顔で「殿下」と口にし、ほんのり笑った。
 ウォーレンは消化不良な気分で下唇を噛んだ。甘い鉄の臭いが口内に広がる。
「これが現実よ、ウォーレン様。目を逸らさないで、ちゃんと向き合って。それが王になる者の定め」
 シーニィの言葉に、苦いものを覚える。トールは平然としている。いつものように。執務室に居る時と同じように。状況が変わっても。
「わかった」
 胸が苦しいのは呼吸が浅いからだ。
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