俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第3章 第二章、俺様王子とフィーリーの使者
 五日はあっという間に過ぎた。国の北よりにある首都ミンスクから西の国境に接しているフィーリーの森の入り口まで、早馬で二日かかるという。
 早朝、城門の外から、住み慣れた城壁の向こうを思い、ウォーレンは目頭が熱くなった。
 フィーリーは、未知の土地だ。何があるかわからない。もしかしたら、二度と帰れないかもしれない――。
 マイナスの考えが、ウォーレンの感情を支配する。
 それに追い打ちをかけるように、ウォーレンの父親であるガートン王が「達者でな」と抱擁したのだ。国を離れるのは、たかだか一か月であるというのに。あの王が!
「……殿下」
 気遣うようなトールの声。
 思いを振り切るように、ウォーレンは姿勢を正す。栗毛色の馬は、ウォーレンの愛馬だ。気性の穏やかな雄で、今年で二歳とまだ若い。
 シーニィが魔法を使ったらしく、目立ち難い服装というわけでもなかったのだが、道中、民に声をかけられることもなく、三人は街中をゆっくりと通過した。一日目は、首都ミンスクの外れの村で宿を取った。
 翌日、整備された街道に出ると、ウォーレンたちは休憩もそこそこに、一気に馬を走らせた。そのおかげか、四日目の日の沈む頃には、フィーリーとの国境まで早馬であと一日という距離の村に入ることができた。
 空が茜色に染まっている。ウォーレンもトールも、普段、こんな長時間、乗馬することはない。身体中が痛い。ウォーレンは入浴時に悲鳴を上げそうになった。節々が固まっている。さらに臀部が擦れて湯に沁みた。
 宿の寝具も、簡素なものだった。疲れ切った身体には少々こたえたが、それでも、ぐっすり寝入ってしまった。
 五日目になると、馬に乗るのも、躊躇われた。けれど、駄々をこねるわけにもいかず、ウォーレンは、馬で駆けた。
 スタッピアの端、フィーリーとの国境の近く、ウォーレンたちは、木陰で休んでいた。辺りは、木が生い茂って、鬱蒼としており、空気が心なしか澄んでいるように思えた。
 ウォーレンは、愛馬から降り、地面に足をついていることに感動すら覚えた。
 シーニィが、火を起こし、フィーリーの特産だというお茶を淹れてくれた。疲れを癒す効能があるという。
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