俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第3章 第二章、俺様王子とフィーリーの使者
「その笑顔は虚勢を張るときの癖だね、ウォーレン。大丈夫。シーニィの腕だけは信用していい」
「腕だけは、って何よ」
「その通りの意味だ」
 ガートンとシーニィの会話の外で、ウォーレンは悔しさに悶えていた。ウォーレンの不安をずばりと言い当てた父親。
(こういうところは親なんだよな)
 よくみているというかなんというか。
(結局、この人には敵わないんだ)
 それを再認識させられたようで。
 だから、母親がこの父に惹かれた理由もわかるのだ。多くの妾妃を持つ父を、死ぬ間際まで愛した人。ティアラ・リラ・スタッピア。
 後宮を纏めたという、皇后がウォーレンの母親だ。ウォーレンを産んだときに亡くなっているので、ウォーレンが知っているのは話の中の母だけなのだが。
「よろしくねえ。ウォーレン様」
 背中を悪寒が走る。シーニィの目付きが、品定めをしているように鋭い。ウォーレンは身震いした。

 執務室は祭事の時のようだった。
五日あれば十分だろう、と出立までの猶予を与えられ、ウォーレンは忙しい日々をさらに忙しく過ごしていた。部屋にはいつもの三倍はあろうかという書類の山、山、山。それは、ウォーレンがスタッピアの首都ミンスクを治めている事と関係している。
 ウォーレンはふと手を休めて、軽く伸びをした。
「殿下、手が止まっています」
「ああ」
 トールは束の間の休息も許さない。
(鬼!)
 泣き言は、頭では思っても、口では言わないウォーレンである。
 書類にサインしながら、トールが頼んだ、ミントティを飲む。
(ああ、生きてる)
 毎日同じことの繰り返しだと、生きていることを忘れそうになる。些細なことに感動しなくなり、たわいもないことに目もいかなくなる。
 だから、トールは従者として、とても有能なのだ。現実から引き離されているウォーレンの魂を、こうして引き戻す手段を与えて、忘れている事実を思い出させてくれるから。
(それにしても不味いな)
 それと、ウォーレンのミントティとの相性の悪さは別かもしれないが。
 そのとき執務室の扉がノックされた。ウォーレンはそちらに目をやる。
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