俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第3章 第二章、俺様王子とフィーリーの使者
 朝。ウォーレンが目覚めると、周りの空気が慌ただしかった。
「お早うございます、殿下」
 侍女がカーテンを開ける。カーテンレールを走る金属が、怒った猫みたいに鳴いた。
 真っ白い光が、目を貫く。ウォーレンはあまりの眩しさに目を細めた。
 別の侍女が寝巻きの替わりに、いつもの白い服……かとウォーレンが思ったら、白の軍服を着せていった。
「客人か?」
 ウォーレンがトールに尋ねる。正装するのは珍しくはない。
「フィーリーから使者が来たんですよ~」
「フィーリー?」
 ウォーレンはトールの言う地名を飲み込むのに少々時間を要した。
「フィーリー? あの?」
 確認の為に再度繰り返す。トールも困惑気味に肯定した。
 フィーリーとはスタッピアの西に隣接する大きな森のことで、「聖なる森」とも呼ばれている。一度入ったら二度と生きては出られない等、いろいろな噂があるが、誰の土地でもない、というのが現実だった。スタッピアは一応フィーリーの庇護国として過去に同盟を結んでいたらしいが、それもウォーレンが生まれる前の話だ。
「フィーリーに住人がいたとはな」
「それもそうなんですけど~」
 トールの戸惑いの原因は他にあるようである。
「陛下とお知り合いのようなんですよね~」
「はあ?」
 ウォーレンの身支度を終え、侍女が下がる。ウォーレンは、サーベルを腰に差すと、部屋を出た。

 ガートン王は既に謁見室の王座に座っていた。ウォーレンは「失礼します」と声をかけ、階段を上って傍らに立つ。
 謁見室の中央には臙脂(えんじ)色の絨毯が敷いてある。それは細長く、入り口から王座までの、道となっている。
 使者は、その絨毯の中央に、いた。両手を頭上で組み、肩膝を折る形で静止していた。頭は垂れ、琥珀色の長い髪が顔に覆い被さっている。ウォーレンの位置からでは、表情を伺い知ることは出来なかった。髪の毛の間から、先端の尖った耳が突き出ていた。
 ウォーレンが位置に着いたのを確認すると、ガートンは頷いた。
「よく来た。フィーリーの客人よ」
 ガートンが声を掛ける。使者は拝謁の礼を取ったまま、動かない。
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