俺様王子の恋愛街道
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発行者:かぼし冬佳
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/09
最終更新日:2013/02/09 18:45

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俺様王子の恋愛街道 第2章 第一章、俺様王子と不機嫌の種
沈黙が辺りを支配する。
「殿下~?」
 トールの不思議そうな声が聴こえたが、ウォーレンは無視を決め込んだ。
 目で見たものを疑う。
(何だったんだ、今のは)
 ウォーレンは今度は自分でドアノブを捻った。
「おー、お疲れさま。キュイリ殿の様子はどうだった~?」
 どうやらウォーレンの目の錯覚ではなかったらしい。
「なんで、アンタがいるんだ、変態親父」
「こらこら~、陛下と呼びなさいといつも言っているだろう? 本当にウォーレンはお茶目さん、だなあ」
 ひくっと、ウォーレンは口元が引きつるのを感じた。
 目の前には、ウォーレンのイスに腰掛け、執務テーブルの上で、ウォーレンのお気に入りのカップで呑気に紅茶を嗜む父親(一国の王)の姿があった。ウォーレンと同じ栗色の長髪は、背中の中ほどまである。優しそうな茶色の瞳は明るい色でおもちゃを見つけた子供のようにきらきらと輝いていた。
「いやあ、よくこんなに書類溜めたねえ。感心感心」
「アンタが仕事しないからだろう!」
 ウォーレンは怒鳴った。父・ガートン王は、ふっと遠い目をしてずずっと紅茶をすすった。
「私はいろいろ忙しいんだよ。スカイ、おかわり」
「はっ」
 ガートン王の隣に控えた、長身(といってもトールより低いが)の青年が、ワゴンのポットからカップに紅茶を注ぐ。
 スカイはガートン王付きの従者だ。褐色の肌は生まれつきだという。この国では珍しい漆黒の髪と瞳を持つ。
 スカイも腕は立つが、トールの方が強い、とウォーレンは思っていた。
 しゃらん。涼しそうな氷の音。アールグレイの、すっとするような香りが辺りに漂った。
「何を突っ立っているんだい、ウォーレン。君も座ったら」
 ぶち。
 ウォーレンの堪忍袋の緒が切れた。
「出てけー!」
 ところが、怒鳴られた本人は、平然と紅茶の匂いを嗅いでいる。
 ウォーレンは、わなわなと震えた。
「まあ、君もようやく跡継ぎとしての自覚が出てきたんだね」
「何の話です」
 ウォーレンがうろんげに王の方を見ると、見覚えのある日記帳が、ガートン王によって掲げられていた。
「婚約者以外にも、目が行くなんて、堅物の君には珍しいけど。でも、私としては喜ばしいことだと思うよ」
 キュイリ殿とは上手く行きそうにないもんねえ、君。
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