黄昏探偵【死神と呼ばれた男の真実】
黄昏探偵【死神と呼ばれた男の真実】
成人向
発行者:キャラ
価格:章別決済
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ジャンル:お笑い・ギャグ
シリーズ:黄昏探偵

公開開始日:2013/02/18
最終更新日:2013/03/20 19:02

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黄昏探偵【死神と呼ばれた男の真実】 第1章 不幸なる分岐点()
コンコン!

「失礼します。」

私は快動探偵事務所と表記された扉をノックし、ゆっくりと扉を開けた。


(うわっ! ディスクの上が書類だらけだ‥‥‥何か本当に探偵事務所って感じ。)

私は推理小説等で目にするニヒルで何処かいい加減な生活感を漂わしてはいるが探偵としては優秀みたいな探偵像を勝手にイメージしつつ、その状況に余りにも当てはまる状況を目にし、私は心の内で感嘆の声を漏らした。

そして、目前には小説の如きニヒルで知的だが、何処か冷たいくらいの冷静さを感じる男性がパソコンに何かしらの情報をスピーディに打ち込んでいた。見事なくらいブラインド・タッチである。

しかし、何か声を掛けづらい雰囲気だ。

(気付いてないのかな? 何か声掛けづらいんだけど?)

だが、このままという訳にもいくまい。私は取り敢えず勇気を振り絞って、声をかけた。

「あの~お仕事中失礼します‥‥」

「ああ、今日、面接の人だね」

「あ‥‥は、はい!」

以外にも気が付いていたらしい。私は予期せぬタイミングでの返答に慌てて返事を返した。

「そこ座って。」

「は、はい」

ここの主であろう男性はキーボードへの打ち込みを止めると静かに立ち上がった。多分年齢は二十代後半から三十代前半といった感じであろう。

髪はやや長めでボサボサだがクールな感じの二枚目、髭もちゃんと剃っていて部屋の惨状に反して不潔感はい。

そして私が座るとほぼ同時、彼は懐から一枚の名詞を取り出し私に言った。

「今日面接する快動だ、宜しく。」

「あ、ありがとうございます。私は」

「朝比奈・由宇香さんだね?」

「は、はい、その通りです‥‥」

(何か遣り難いな、この人‥‥)

私は名詞に目を通しつつ快動さんに返答した。名詞には快動・好喜【カイドウ・コウキ】との名前がつづられている。

そして私が名詞から目を離した直後、快動さんは静かに私に言った。

「では、面接を始めるけどいいかな?」

「はい」

(どんな面接なんだろう?)

私はそんな不安と期待を胸に秘めつつ、快動さんの言葉に応じた。

「では朝比奈さん、勤務経験は?」

「はい、派遣やアルバイトで接客業や、事務関係の経験が少々あります。」

「なるほど‥‥。」

「自分で認識している長所と短所は?」

「はい、長所は‥‥‥」











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