Johann,-ヨハン-
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発行者:KEI
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2013/01/25
最終更新日:2013/01/25 20:09

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Johann,-ヨハン- 第1章 遭遇
 両目から涙が溢れる。
 「あんな記録、見なければ良かった。真実なんて知らなければ、こんな目に会わずに済んだのに―」
 僕が無意識に呟くと、突然魔族の男が身を乗り出した。
 「そうか、やはり貴様は、あの戦争の真実を知っているんだな!?」
 「え‥」
 「言え! 何処で真実を知った!」 男は一瞬にして僕の背後に回り、ダガーを首に突きつける。
 「俺はギデオンと貴様の会話を聞いていた。貴様はあの戦争の真実を知っているんだろう!? どこで知った!!」
 「‥大‥聖図書館の、‥禁書架で」
 「図書館か」 魔族の男はダガーを離すと、何事か考えながら元の場所へ戻る。
 「喜べ、貴様を殺すのは止めた。貴様は大事な証人だ」 咳き込む僕に男が告げる。
 「証人‥?」
 「俺の目的は、一族を滅ぼした奴等に復讐をする事と、真実を白日の下に晒す事だ。その為には貴様の協力が必要だ」
 今すぐに僕を殺すつもりはないようだ。
 「白日の下に晒すって、そんなこと、どうやって‥」
 もはや自分しか魔族がいないこの世界で、どうやってヒューマンに罪を認めさせるというのか。
 「貴様が知る必要はない」 男は淡々と言い放つ。
 「ちなみに、逃げようとしても無駄だ。俺の下僕が、貴様に取り憑いているからな」
 そう言って男が呪文を唱えると、暗闇の中からゆっくりと死神が現れた。
 悪臭の中胃液が逆流するのを感じながら、僕はまた意識を失った。
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