Johann,-ヨハン-
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発行者:KEI
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2013/01/25
最終更新日:2013/01/25 20:09

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Johann,-ヨハン- 第1章 遭遇
 「盗まれたものは何もなかったそうだ」
 案の定、学長室へ入ると、ヴァレリー学長が昨夜の事件について告げる。
 「ただの野盗じゃありません。1人だったし、それに―」
 ――紅い眼をしていた。
 「それに?」
 「何でもありません」
 うっかり喋ってしまったが、殺人事件に巻き込まれるなどまっぴらごめんだ。
 学長は書類を書く手を止めると、僕の顔を覗き込む。
 「ノルベール。君を呼んだのは、昨夜の事件について詳しく話してもらうためだ。何しろ狙いが全くわからないし、警備を潜り抜け、クリーチャーを全滅させるなど尋常じゃない」
 「僕は何も知りません! 真っ暗だったし、気付いた時には犯人はもう消えてました」
 「話を聞きたいのは私じゃない、守護隊だ。今すぐ隊舎に向かってくれ」
 学長はそれだけ言うと、書類に視線を戻した。
 ――聖都守護隊。そうすると、やはり‥。
 研究室を出て、守護隊隊舎へ向かって歩く。隊舎は昨夜警備兵が殺された城門から見て、ちょうど犯人が消えた方向と反対側だ。
 聖都守護隊はその名の通り、野生のクリーチャーや野盗から聖都を護るのが仕事だ。しかし、単なる野盗や低級クリーチャーに対しては守護隊ではなく警備隊が対応することになっている。
 ――守護隊が動いているということは、昨夜の事件はただの野盗の仕業ではないと考えているということか。
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