Johann,-ヨハン-
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2013/01/25
最終更新日:2013/01/25 20:09

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Johann,-ヨハン- 第2章 森の精霊
 ―ズドーン!
 4回目の爆撃音が響き、僕は耳を澄ませた。
 ヒューマンの飛空兵器は北へ向かって進行しているようだ。先程より音が遠ざかっている。僕は安堵し、胸を撫で下ろす。
 「この辺一帯を焼き尽くすつもりなのか‥?」
 ヨハネス達が出発してから2時間半が経過した。
 右腕の止血はしたものの、ガルーザは先ほどから喀血を繰り返している。彼の強靭な生命力を以ってしても、そう長く持ちそうにない。
 ――ヨハネス達は精霊に無事会えたんだろうか‥。
 爆撃を受ける心配はなさそうだが、凶暴なクリーチャーと出くわしたら一溜まりもなく殺されてしまうだろう。
 ――今なら、ヨハネスから逃げられるかもしれない‥。
 考えが脳裏によぎるが、頭を振る。僕にはヨハネスの死神が取り憑いているんだ。それに、ガルーザを置いては行けない。
 落ち着きなく歩き回っていると、ズーンという衝撃音が繰り返し聞こえた。僕は咄嗟に身を隠す。
 「何の音だろう‥?」
 東の空を見ると、50メートルはあろうかという巨大な樹木がこちらに向かって進んでくる。手脚が生え、頭の様なものも見える。
 ――まさか、あれが森の精霊‥?
 「ガルーザ‥!」 クインが精霊ポリスーンの腕から飛び降りた。ガルーザに駆け寄る。
 「間に合ったようだな。ポリスーン、治せそうか?」
 精霊ポリスーンはヨハネスが気に入らない様子だ。彼をじろりと一瞥する。
 「森の力を借りれば可能だろう。だが、我々に出来るのは自然治癒力を急激に高めることだ。失われた腕は再生しない」
 精霊ポリスーンが厳かに告げた。次の瞬間、精霊ポリスーンの体がまばゆく輝き、続いて周りの樹々と小型クリーチャーも発光を始める。
 「日頃の行いが良かったようだな。森の生き物達も協力してくれるようだ」
 暫くすると発光が止み、精霊ポリスーンの枝にみるみるうちに果実が実った。
 精霊は果実をもぎ取り、クインに渡す。
 「それを飲みやすいように搾り、ガルーザに与えるがよい」
 「はい‥」クインは果実を搾り、巨大な植物の葉に注ぐ。溢さないよう注意しながらガルーザに飲ませる。
 「‥すごい‥」
 瞬く間にガルーザの傷が癒え、僕は感嘆の声を漏らした。
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