Johann,-ヨハン-
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2013/01/25
最終更新日:2013/01/25 20:09

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Johann,-ヨハン- 第2章 森の精霊
 ヨハネスとクインは、ガルーザ達の元を出発したのち、東に向かって森の奥深くへと進んで行った。
 2時間ほど疾走っただろうか、次第に周囲の様子が変わってきた。樹木は巨大になり、初めて見る植物や昆虫が増えた。ヒューマンが滅多に足を踏み入れない、未開の地だ。
 時刻はまだ夜明け前で、森は静寂が包んでいる。たまに聞こえる葉擦れ音と獣の気配が耳に残る。
 「怪我は大丈夫か?」 ヨハネスが足を動かしながら尋ねる。
 クインの手当はしたものの、包帯代わりにした布――アンリのローブの上から血が滲んでいる。
 「大丈夫。ガルーザがとっさに庇ってくれたから、わたしの怪我は大したことないわ」
 クインはヨハネスをちらりと見る。 「貴方のその瞳‥、もしかして魔族?」
 「そうだ」
 「30年前の大戦で滅んだと聞いていたわ‥」
 「おそらく、生き残ったのは俺だけだ」 ヨハネスは淡々と答える。
 「今のわたし達と同じね。ヂードゥで生き残ったのは、多分わたしとガルーザだけ。ヒューマンめ、許せない! 必ず復讐してやる‥」
 クインは怒りに顔を歪める。 「でも、今はとにかくガルーザを助けないと‥!」
 「森の精霊の助けを得るあてはあるのか?」
 「ポリスーンは心優しい精霊よ。森と共に生き森へ還る者になら、力を貸してくれる。森を消耗品としか見ていないヒューマンには、分からないでしょうけど‥」
 「なるほど」 ヨハネスは苦笑する。
 と、2人は気配を感じ、足を止めた。
 前方のどこかに巨大な生き物がいる。
 「精霊か‥?」
 「わからない」
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