Johann,-ヨハン-
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2013/01/25
最終更新日:2013/01/25 20:09

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Johann,-ヨハン- 第2章 森の精霊
 「俺が奴らを助けるのが、意外か?」
 ガルーザを運ぶことは不可能と判断した僕らは、まずは精霊の元へ向かうことにした。
 ヨハネスと彼女――クインが精霊ポリスーンに会いに行き、その間僕はガルーザの傍で待機することになったが、怪訝そうな表情をしていたのか、ヨハネスが僕に尋ねた。
 「‥まあね。躊躇なく6人を殺した者と同一人物には思えない」
 僕がそう言うと、ヨハネスは苦笑する。
 「俺が憎むのはヒューマンだけだ。それに、奴らは役に立つ」
 ヨハネスのことを残忍な男だと考えていた僕は、これには意外に感じた。しかし、ヨハネスはただで彼女らを助けるつもりはないようだ。
 怪我の状態を考えると、いくらガルーザが強靭な肉体を持っているとしても、そう長くは持たない。それに、いつヒューマンの飛空兵器による爆撃があるとも限らない。
 ヨハネスとクインは、ガルーザの応急処置をすると直ぐに出発した。
 豹型クリーチャーであるクインについては言及するまでもないが、魔族の身体能力もヒューマンを圧倒的に上回っているようだ。2人は目にも留まらぬ速さで木々を駆け抜けていった。
 ガルーザは依然として意識がなく、僕は彼の横に腰を下ろす。
 ――僕って、無力だな‥。
 僕は、学術院では常に上位の成績を収めてきた。でも、だから何だ? 真相を知っていても怯えるだけで何もできず、無実の罪を着せられ、その犯人の言いなりになるしかできないじゃないか。今だって、死にそうな人を目の前にして、ただ祈ることしかできない。
 ――‥いや、そうじゃない。
 僕は自分に言い聞かせる。
 ヨハネスが言うようにヒューマンが侵略戦争を行なっているというのであれば、それは阻止しなければならない。ヨハネスがどうやって真相を暴こうとしているのかはわからないが、本当に真相を暴くことができたとすれば、ヒューマンの侵略戦争を止めることができるはずだ。
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