Johann,-ヨハン-
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発行者:KEI
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2013/01/25
最終更新日:2013/01/25 20:09

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Johann,-ヨハン- 第1章 遭遇

 この男が言っていることは確かに一部は真実だろう。僕もその事実に長年悩まされてきた。とはいえ、たった一人の魔族が何をできるというのだ。
 「真相を暴く協力はする! だから僕を聖都に帰してくれ!」 僕は必死に懇願する。とにかく今の訳の分からない状況から離れて冷静に考えたかった。
 「それは不可能だ。聖都に戻ったら、貴様は守護隊に殺される」
 魔族の男が信じられないことを口にする。 「僕が守護隊に殺されるだって!? 何故!?」
 「貴様にはギデオンと兵士殺しの容疑がかかっている。聖都に戻ったら、捕まって処刑されるだけだ」
 僕は息を飲む。 「‥彼らを殺したのはお前じゃないか!!」
 「貴様がそう言っても、誰も信じない。魔族は既にヒューマンの手により絶滅したことになっているんだからな。俺の存在に唯一感づいていたギデオンはもういない。昨夜の事件も、ギデオン殺しも、貴様がやったと思われるだけだ」
 「そんな‥」
 ――悪夢だ。昨夜遅くまでレポートをやっていたせいで、殺人犯になるなんて‥。
 「諦めろ。先ほど自分で言ったように、あの戦争の真実を知った時に貴様の人生は変わったんだ。‥だが安心しろ、貴様は大事な証人だ。貴様の身体は常に俺の下僕が守っている。俺に協力している限り、死ぬことはない」
 この男の言うことが本当だとすると、聖都に戻ったところで処刑されるだけだ。かといって、森の中には獰猛なクリーチャーが生息している。僕一人では夜を越せないだろう。
 「‥分かった、協力するよ‥」
 僕の言葉を聞き、男がニヤリと笑う。
 「俺の名前はヨハネス・ゲオルクだ。よろしくな、アンリ・ノルベール」

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