孤島の垂涎
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発行者:千華
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/21
最終更新日:2013/03/02 21:44

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孤島の垂涎 第2章 飛行機の旅。クロードとセルジュ。
「海外の方ですよね? 日本語、凄く上手でびっくりしました。
姉は葵と言います。私は妹の紫です」
「紫さんに葵さんですね。
この旅、日本語が必須条件だったんでここ数カ月必死に覚えましたよ」

そうなのか。
目を通した書類にはそんな条件はなかった気がする。

元々日本人だからそんな項目がなかっただけなのか、
不思議なノルマがあったものだ。

セルジュと呼ばれた少年は、紫より二つ下の16歳。
会って数分の印象としては、よく笑い、気遣いもできる、礼儀正しい男だった。
クロードは葵より1つ上の24歳。
セルジュとは違い、無愛想で常に不機嫌で、よく突っかかってくる。
特に、最初に目が合った葵にはかなりの嫌悪感を抱いているようだ。

席順は、葵、紫、そして空席が一席。
通路を挟んでセルジュ、クロードで並んでおり、
距離はあるが、セルジュと紫が隣り合わせとなっている。
会話は常に年下の二人がやりとりしているが、
非常に盛り上がりを見せて楽しそうだった。

その分、クロードは攻撃的である。


「飯食えばそれなりに酔わねぇだろ。空腹とかバッカじゃねぇの」
「駄々こねてる人に言われたくないです!」
「だからあれは駄々じゃねぇんだよ!」

ついに反撃した葵だが、意外とクロードも子供っぽい一面があるようで、
顔を赤くして身を乗り出してくる。
隣のセルジュが、えらい迷惑そうな顔をしていて気の毒だ。

「あ、お姉ちゃんはずっとご飯食べられなくて……まだ白湯しか食べてないんです」
「そうなんですか? 失礼ですがどうしてまた?」

セルジュの問いに、紫は俯きながら答えた。

「え、と。うち、この前お父さんとお母さん亡くしちゃって
お姉ちゃん、凄く頑張ってくれたんです。それで色々疲れちゃったみたいで」
きわめて明るく振る舞う紫だが、やはり辛そうだ。

親が亡くなったと告げるには、まだ傷が癒えていない。
しかも凄く頑張った、なんて言ってくれるほどの気遣い。
口に出すのもきつい事なのに、紫は音に乗せて呟く。
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