孤島の垂涎
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発行者:千華
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/21
最終更新日:2013/03/02 21:44

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孤島の垂涎 第2章 飛行機の旅。クロードとセルジュ。
飛行機が離陸する感覚はどうも苦手だ。

ふわっと持ち上がる瞬間、体の中の臓器も丸ごと浮いたような、
気分を害する感覚。
うえっとえづきそうになるのは一瞬だが、早速乗り物酔いに襲われる。

「大丈夫? お姉ちゃん」
隣に座った紫が心配そうに覗きこんでくるが、今はまだ首を縦に振れない。
こうならないために、何か食べて行こうと言われた。
食べて、酔い止め薬でも飲めば大丈夫だろうと。
だが、久しく食料を胃の中に流し込んでいなかった葵は、
急な食事ができないでいた。

旅行に行くと決まってから一週間後。
慌ただしい準備を終え、二人は空の旅を体験している。
満喫ではなく、ただの体験だ。
紫は楽しんでいるかもしれないが、姉の方は既にギブアップの旗を上げている。

さて、ついに旅行が始まろうとしているわけだが
ミステリー旅行の封書が届いたのが、7日前。
あの日から今日まで葵が食べたのは、ほとんどお湯だけのおかゆ。

いきなり油っこいものや固形を流すのは危険だと妹に諭され、
未だに満足な食事ができないでいた。

旅行に行くと決めたせいかは分からないが、
三日前からは空腹感も出てきた。
ついでに、お湯だけだった食事生活もお米が沢山入ったおかゆにランクアップ。
少しずつ慣らしていけば、近いうちに昔の食生活に戻れるだろう。
すっかり痩せてしまった体も、いずれ標準の体型になるはずだ。

「はい。リンゴジュースだよ。これ飲んだら、少しは良くなるかも」
「ありがとー。ごめんね」
「ううん。少しでも食べられるようになって、凄く嬉しいから」

心からそう思っているのだろう。
お腹空いたと口にした時、妹は本当に嬉しそうだった。
できれば沢山の手料理を振る舞いたい紫だが、
いきなりは不可能なので、まずはおかゆからご馳走になった。
ただのお湯と数粒のお米だったが、愛情のスパイスでも入ったせいか、
なかなか美味しかった。
特に精神面が大きく満たされ、久しぶりに三大欲求の一つを満たした。
今日はうどんくらいなら食べていいと言われたし
明日からも胃に優しい固形物なら食べてもよさそうだ。
旅行に行くのだし、これくらいは贅沢したい。

うどんや、胃に優しい食べ物が旅先にあるのかは謎だが。
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