孤島の垂涎
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発行者:千華
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/21
最終更新日:2013/03/02 21:44

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孤島の垂涎 第1章 悲劇のはじまりと終わり。
「でね、お姉ちゃんこの旅行会社使った事あるんだよね?
その時の企画に募集して、当選したって書いてあるけど」

紫が疑問に思い尋ねてくるが、数秒はフリーズした状態が続く。
今まで忘れていたが、何故皆に帰宅を早めるよう頼んだのか。
その理由を、彼女は紫に話していなかった。

数カ月前、確かに葵はこの旅行会社を頻繁に訪れていた。
契約を結んだ際、そう言えば……と、スタッフの一人が話し出したのが全ての始まり。

孤島を旅するプレゼントが当たるかもしれないから、
是非応募してくれないか。
やけに必死に頼まれたのは気のせいだと思っていたが、
たぶん応募人数が少なかったのだ。

結果、柊家は孤島を旅するミステリー旅行に当選。
だから現在手元に、こんな怪しい封書が届いている。

何かに当たった経験はほとんどない。
小学生の頃に、買っていた雑誌のおもちゃ抽選に当たったのが最後。
コンサートも後ろの席ばかりだったし、決して運はよくない。
それが今になって、こんな旅行が当たってしまったようだ。
運がいいんだか悪いんだか、心の底から喜びにくい贈り物だ。

「でもこれ、二人でって書いてあるね。
まぁ紫は学校あるから無理だし、この旅行は諦めよっか」
「あ、それについてなんだけど、ちょっといいかな?」

ゴミ箱にでも捨てて、今後の事を相談しようかと腰を上げた葵。
そんな姉を制止したのは、今までになく真剣な表情の紫。
この顔の時は、何を言っても無駄な状態。
姉が折れなければ、絶対に紫は譲らない頑固なモードに入っている。

前の時は確か、余ったケーキをどちらがどれだけ食べるか。
と言う議論の際だった気がする。
その類でいくとすれば、机の上で一口分残っている羊羹が当てはまる。

食べたいのなら食べてもいいと答えを用意していた葵だったが、
彼女の要求はそんな軽いものではなかった。

事の重大さに気づくまで、あと3秒と言う夏のある日。
二人の物語はようやくスタートラインに立とうとしている。
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