孤島の垂涎
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発行者:千華
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/21
最終更新日:2013/03/02 21:44

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孤島の垂涎 第3章 万劫島へようこそ。
「さぁ、こちらが葵さん、お隣が紫さんのお部屋です」
「え? 別々なんですか?」
「はい。折角なので。
……ですが、お二人同じ部屋に滞在されても構いませんよ。――今は」

ふふっと笑うエヴァンスの髪が、太陽に光って眩しい。
改めて彼の容姿が、目に留まる。
所謂イケメン、とはまた違う部類に入るが
かなり端麗な顔立ちと言っていいだろう。
眼鏡をかけ、物腰柔らかく喋る姿は人間離れした雰囲気を持っている。
つまり、『美形』と言うのかもしれない。
目鼻立ちも整っているし、仕草の一つ一つがとても丁寧だ。
葵も、少しは見習うべきかもしれない。


そんな彼の提案を有難く受け入れ、
ひとまずは葵用のコテージに荷物を下ろした。
流石に初日から海外で別々の部屋と言うのは心細い。
何泊かは分からないが、慣れれば別々の部屋で過ごせばいいだけの話だ。



「お姉ちゃん見て見て! 魚が見えるよ!」
久しぶりにはしゃぐ姿を見せた紫は、ベランダから海を眺めている。
澄んでいる分、魚の泳ぐ姿がよく見える。
確か紫はあまり泳がないタイプだったと思うが
これぐらいの浅瀬だったら、スノーケリングするのもいい。
プカプカ浮いているだけでいいのだから
きっと紫もやりたがるだろう。

「たまにクジラやイルカが見える事もありますよ」
「本当ですか? 楽しみだねお姉ちゃん!」
「気に入っていただけてよかったです。
このあたりはコテージだらけですが
少し車を走らせるとお店も沢山ありますから、楽しんでください」

そう言いながら、エヴァンスは一枚の地図を差し出した。
この島の見取り図になっていて、現在地が赤い丸で囲まれている。
彼の言う車から10分程の距離には、
レストランや雑貨、服や食材等の揃う店が数多く立ち並んでいる。
免許は持っている葵だが、海外では使えない。
徒歩でも行けないことはないが、荷物を抱えて帰宅するのは大変そうだ。


だがエヴァンスは、
コテージ利用者には個別で車が出る事を教えてくれた。
しかも、いつでも、何回でも呼んでいいとのこと。
少し太っ腹すぎないだろうか。
ここまで一銭も出していない分、
こんなに至れり尽くせりでは気が引けてしまう。
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