孤島の垂涎
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発行者:千華
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2013/02/21
最終更新日:2013/03/02 21:44

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孤島の垂涎 第2章 飛行機の旅。クロードとセルジュ。
「クロード、も旅行が当たったの?」
「俺? まさか。うちは借金が残ってて結構大変だったんだ。
セルジュも勝手に学校辞めやがって、働くとか言い出してよ。
したら島で払いのいい仕事みつけたんで、移住して働く事にしたんだ」

どうやらクロードは、元々働いていた会社を辞めて『移住』をするらしい。
葵たちは観光目的で行くが、彼らは働きに来たのだ。
しかも弟は学校を自主退学してまで働くと言っていた。


 ――紫と全く同じ行動だ。

「紫も、私立だったから相談なしに辞めちゃったみたいなの。
事後報告されてビックリして……
あの子としては負担を減らしたいって言う気持ちも分かるけど、
大学に行かせるくらいの貯えはあったのに」


そう。旅行が当たったとの知らせを受けた日、
妹は重大な隠し事を姉に告げた。

通っていた高校を、退学したと。

退学しようか迷っている、ではなく、退学したと言われたのだ。
目の前に差し出されたのは、保護者のサインを求める一枚の書類。
全て自分で手続きしたから、後はこれに葵がサインしてくれればいい、と。

そりゃあ、驚いたし怒りもあった。
残した遺産を紫の学費にあてても、まだ持ちこたえられる程の額はあった。
かなり質素に暮らすことになるが、その分仕事を変えて働けば問題はなかったのだ。
だが、予定していた会社からは中途採用の取り消しが送られ、
再び就職活動生活に逆戻りとなった。

事態を重く見たのか、落ち込んでいる葵に内緒で、
紫は慣れ親しんだ高校生活をスッパリと手放した。
どうして相談してくれなかったのかと口論になりかけたが、
紫にはこの数カ月とても迷惑をかけた。

まだ子供かもしれないが、できるだけ対等に見て欲しい。
支え合える所は支え合いたい。

彼女の、絶対に譲れない願いだった。

だから葵は、書類を出された時、黙ってサインをした。
紫がどれほど真剣だったのかを知っていたから。
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